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待つ(煌牙side)
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朝食を終えた後、一足先に部屋に戻った。
「……あー、くそっ」
雪夜を待っている一分一秒が、やけに長い。
この後の激しくも甘い揺らぎを想像し、暴走する下肢を持て余す。
抱いてと強請ったのは雪夜のはずなのに、がっついているのはどう考えても自分の方で。
心で愛らしさにやられ、身体まで陥落したのでは、さすがに立つ瀬がない。
早いところ一発やって落ち着きたいと思う端から、次々と頭をもたげる不安が影を差す。
性行為自体、身体への負担はけして小さくはなく、極力身体に負担をかけないよう騎乗位で事に臨むつもりだが、そもそも気持ちを揺さぶる相手とつながるのは、これが初めての経験だった。
熱くならない保証など、どこにもない。
無理をした挙句、発作などを起こした日には、雪夜は間違いなく死ぬほど己を責めるだろう。
一方で、いくら飛び抜けて愛らしい外見をしているとはいえ、自分と同じものがついている身体を前にして、はたして本当に欲情できるものなのかとの不安もあった。
様々なプレッシャーが一緒くたにのしかかり、いっそ寝たフリを決め込みたいほどに追い詰められていた。
そんなこんなで、インターフォンが鳴った瞬間、情けなくも身体がビクついた。
……落ち着け、たかが抱くくらい、なるようになると自分に言い聞かせながら、雪夜を待った。
後ろ手に何かを隠しながら、伏し目がちに雪夜が歩み寄ってくる。
「……手ぇ出せ」
しばらくの間ためらっていたが、やがてあきらめたようにペットボトル程の大きさのボトルを差し出してきた。
……ローションか。
濡れにくい女に濡れるまで待つのが面倒で、使ったことはある。
そういえば男同士とはどうやればいいのだと、今さらながらの疑問がわいた。
尻を使う程度の知識はあったが、女みたいに濡れるのか?
ローションを持ってきたということは、やはり普通に突っ込んだのでは痛いのだろう。
頭の中を数々の疑問が駆け巡る。
わからないままで臨めば、ひどく身体を傷つける気がして、恥を忍んで聞いてみた。
「……どーやって使えばいい?」
「ぼ、坊は寝ててくれたら、僕が全部するので!」
雪夜がとんでもないと言わんばかりに、あわあわと首を振る。
慌てる様は愛らしいが、自分には何もさせないつもりかと、腹が立った。
「……教えろっつってんだろ!」
低くドスの効いた声で詰め寄れば、ビクッと震え、後ずさる。
はぁ……と、たまらずに息を吐いた。
こんな風におびえさせたいわけじゃない。
……ただ知りたいだけだ。
よくしてやりたいと程度には、一途に想いを寄せてくる雪夜にほだされていた。
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