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嬲る(龍之介side)
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「……想像してみろよ」
吐息を混じりにささやけば、落ち着かなげに衣擦れの音がした。
早くも反応したか。
相変わらず感度のイイ身体だ。
「奥突いてやりながら、……士郎」
夜の闇に引きずり込み、芳醇な酒を舌の上で転がすかのように、一際甘く愛しい男の名を口にした。
「……耳元で名前を呼ンでやるたびに、狂ったみてェにナカがキュンキュン締まるンだぜ……?」
『……っ』
うねり、吸い上げ、絞り取るようなあの動きを……あの熱を。
言葉に昇華する術がないのが、もどかしい。
もはや他の誰にも満たせないほど淫らに作り変えた自信がある。
だが、己もまた士郎でなければ心底熱くはなれないのだから、勝負の行方は未だイーブンと言ってよかった。
「……そう言やァ、あのオモチャはどうした?」
ふと思い出して、聞いてみた。
『……元の場所に戻したに決まってるだろう』
「なら、次会う時はまた、初めてン時みたく堅く閉じてるってわけだ」
それも悪かねェな、とつぶやいた。
「……けど、ガマンできねェ時は遊んでいいンだぜ?」
『だから……っ、もう金輪際しないと言っている……!』
「無理すンな。前だけじゃ足ンねェだろ。そういう風に開いたからな」
『……っ』
たとえ達することはできても、到底満たされはしない。
熱が内にこもり、切なさばかりが渦巻いて、する前よりよほど苦しくなる。
無理に耐えようとする様がいじらしい反面、澱のように罪悪感が募り、迷いを生む。
「……開いたばかりのカラダを構ってやれねェのは、オレの落ち度だ。多少のコトには目をつむる。……ただし、オレの目の届く所でな?」
我ながら、甘さと苦さの滲む声が出た。
『おまえは……』
やがて士郎が絶え入るように吐息した。
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