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憂い(龍之介side)
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達する前よりも確実に艶を増している士郎に、再び昂りかけた己を必死になだめ、無理やり布の中に押し込んだ。
「……くそっ、何だってあんな約束、しちまったんだかなァ」
こんなおいしい展開になるとわかっていたら、けして受けはしなかったのだが。
『……どうした?』
同じく、物足りなさを必死に押し隠す士郎が聞いてきた。
ふとイタズラ心がわいた。
「この後トーナメント形式の訓練で、トップ取ったヤツにフェラさせてやる約束しててよ」
『……は? ……おまえってヤツは……っ。勝手にしろ!』
案の定、激昂し、ブチッと通信を切られしまう。
「……ったく、嫉妬して逆上するとか、かわい過ぎンだろ」
思わずニヤけたが、これが逆なら相手を絞め殺さないまでも締め落とすくらいしなくては到底気が済まないに違いなく。
結局は甘えているのだ。
恋人の人並み外れた懐の深さと忍耐力に。
自分はこの先もズルく勝ち得た許しのもとに、グレーゾーンをひた歩くのだろう。
心に在るのはただ一人でも、他をすべて拒めば心も身体も到底均衡を保てない。
それでいいと言った士郎に、甘えて……甘えて。
いつか切り捨てられた、その時は。
士郎の名を叫び、のたうち回りながら狂えば、人のよい士郎の心に少しは傷跡を残すこともできるだろうなどと、これまた卑怯なことを考えている。
だが実際は、それほど綺麗に終われるはずがないこともよくわかっていた。
失うくらいなら壊してやる。
奪われるくらいなら、いっそこの手で……。
まったく狂気の沙汰だ。
離れて過ごすこの先の二年が途方もなく長く感じられた。
早く……早くこの手の中に戻ってこいと、飛び散った白濁を握り締め、やるせないため息に暮れた。
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