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宣戦布告(龍之介side)
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広いトレーニングルームの片隅に座り込み、壁に背もたれて息を吐く。
泡立っていた肌が鎮まっていくにつれて途端に途方もない飢餓感を覚え、目を閉じた。
戦いの最中はいい。
すべて忘れていられる。
だが、離れた途端にこれだ。
……会いてェ。
ただそれだけしか考えられなくなる。
ユージンにあえてつらく当たるのも、方向性を違えた八つ当たりだとわかってもいた。
仲間の幸せな姿でさえ、時に気に障る。
似た背格好のヤツを見ただけで身体が昂ぶり、犯したくなる。
もはや末期だと、己を笑った。
いったいいつまで保つんだか。
「……おい」
不意にかけられた声を、うるさげに見上げた。
「……テメェかよ」
ただそこにいるだけで光放つような容姿の男が立っていた。
かつて自己暗示の中で一度だけ、恋に落ちた相手だ。
胸の奥深くの痛みはすでに遠く甘く、懐かしさと苦さをはらんでいた。
アキラが呆れたとばかりに、ため息をつく。
「次の対戦相手くらい、把握しておけ」
リーダーが聞いて呆れると言われ、違いねェと笑った。
「まァ大目にに見ろや。リングに上がりゃ自動的にスイッチ入るからよ」
「あまり油断するなよ」
「やれるモンならやってみろ。つーか、ンなにオレのをしゃぶりてェのかよ?」
甘く濡らした声に、アキラの頬が屈辱と羞恥にほんのり紅く染まった。
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