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腸から膿を出し、血を流し、潤は高熱と激痛に苦しんだ。
何度も生死の境を彷徨う。
実のところ、潤は、これで死んでしまえるのなら、楽だと思っていた。
ひと思いに逝きたかった。
生きる気力が無かった。
こんなに汚れて、狂った自分と、
生き地獄を味わう事が、耐えられない。
なのに、夢の中で、誰かの姿が見え、
懸命に生きている姿を見せられる。
僕とそっくりな彼は、
清らかで天使のような姿をしている。
ああ、彼のようだったら、、、
生きる価値があるのだろうな、、、
『自分を、、、生きて、、、』
その彼が、僕を抱きしめる。
まるで、僕が僕を抱きしめたように感じた。
『君は、素晴らしいいんだよ』
そして、僕の心の苦しみを、
全て吸い取ってくれる気がして、
僕が清浄になっていく気がして、
ああ、幸せって、ふと思って驚いた。
幸せ、、、、、
そう感じた事に、とても驚いた。
味わったことの無いその感覚に、
激しい衝撃を感じて、僕は目が覚めた。
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