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目が覚めた途端、あまりの激痛に叫ぶと、
またさらなる激しい痛みで息を続けられなかった。
僕は口をパクパク開けたまま、
熱の塊の、自分の肉体の中で呻いた。
医師や看護師が忙しく動く、その足音さえ響く。
お腹がマグマに焼かれている様に痛い。
何が何だか、何を考えていたかも忘れて、
痛みと熱さの波に呑まれた。
何度も痛みで気を失った。
意識が戻ると、汗が酷く、纏わりつく湿り気が辛い。
布団の重みが、痛みを増幅させることを伝えられない。
身体を拭くとき、治療のために、身体を横にされるとき、
腸に響いて、世の中に、こんな痛みがあるのかと思うほどだった。
それより、身体に触れられることが耐えられない!
恐怖で硬直し、痛みが一層酷くなる。
死んでしまいたい。
そう思うと、夢の中の僕を抱きしめた自分を思い出す。
思い出したくもないのに!
ウイルスや細菌の罹患にあったらひとたまりもないことから、
ガウンとキャップ、マスクを付けて車椅子のマコが来る。
マコが泣いて泣いて、ごめんね、ごめんね、
と言っている。
どうして、、、ごめんね、なんて言うんだ?
マコは何も悪くない。
そう言わないと。安心させてやらないと。
会うたび、マコの顔色が悪くなり、やつれていく。
マコ、、、マコ、、、、
どうした、、、?
必死に声を出した。
「マ、、、、コ、、、、大、、丈夫、、、、マコ、、、、」
マコが車椅子から落ちそうになるほど泣いた。
「兄、、、さん、、、、兄、、、さん、、、、、」
「マコ、、もう休みなさい、、」
父の声に、僕が、マコの体調が悪いのだと感じた。
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