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兄さん、、いつから、、こうなってしまったんだろう。
僕を第一にしてくれる事は変わらない。
僕をいつも本当に大切にして可愛がってくれる。
けれど、いつしか、兄から笑顔が少なくなり、
歌も歌わず、絵も描かず、ピアノも弾かなくなった。
僕とたわいの無い話しをして、
一緒にご飯を食べて、テレビを見て、
僕が寝室に行くまで、付き合ってくれる事が殆どだ。
僕は、兄の何を知っていただろう。
ふと、そう思った。
弟の僕に、愛情をくれて、
両親に対しても、良い息子だった。
でも、本当はどうだったんだろう。
兄を何も知らない事に、急に不安を覚え、
いけないな、と思いながら、
棚のノートを開いた。
数学のノートだった。
几帳面な数字が並ぶ。
でも、時々、数式が抜けたり、
ノートの紙が破れかけている。
え?
英語のノート、歴史のノート、
どれを見ても、部分が抜け落ちる。ノートが痛んでいる。
「兄さん、、、学校でも、何か、あるの、、?」
母も兄に部屋に来た。
母も心配している。
兄のノートを見せた。
母は、そのノートを棚に戻し、
僕の頭を抱いて、泣いていた。
兄の事件から、
心が辛くて、身体が痛んだ。
僕の骨、、、こんな時に、、、痛くならないで、、、
兄さんは、もっと痛いのに、、、。
今度は、僕が、兄さんの役に立ちたいんだ。
マコは、骨の痛みを感じながら、
自分も骨の髄まで辛さを感じているのだと、思った。
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