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18歳以上ですか?
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病院に着いた。
太陽は出ているが、もう時刻は18時を回っている。
受付で潤の名を告げ、ICUにいると伝えれば、
家族しか面会は出来ないと言われる。
入院している場所だけでもと、
日向が食いさがるが、断られる。
クラスメイトだと言うこと、
どんな状態なのか知りたいと、
なおも頭を下げ続ける日向の熱意に、
職員がとうとうどこかに電話をかけた。
「あちらの席で少しお待ちください。院長が参ります」
15分ほど待っただろうか。
向こうから、温厚そうな落ちついた風勢の、
背の高い白衣の男性が近づいてきた。
「こんばんは、君たちが、潤のクラスメイトですか?
私は潤の父親です」
バリトンの綺麗な声に、
2人は飛び上がるように席を立ち、挨拶をする。
「潤を心配して来てくれたと聞いたよ。
ありがとう。
こうして来てくれる友人がいると知って、
とても安心した。
潤はまだICUにいてね、会わせてあげたいが、
潤を見て君たちが驚くだろうと思うから、もう少し、、、」
そう言って、潤の母親と同じように言い淀む。
天海は咄嗟に口をついて言った。
「大丈夫です!会わせてください。
潤くんは、僕達の大切な友人なんです」
その言葉に、父親の誠一郎の目に、
涙が滲んだように見えた。
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