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誠一郎は、ICUに2人を連れて行く。
まだ中には入れられないが、
内側のカーテンをあけたら、
潤からも2人がガラス越しに見える。
今の潤は、
モルヒネのような強い痛み止めを入れられ眠り、
薬が切れて意識が戻れば苦しむ。
腸に良い菌を作り出せないので、
痛み止めは多用出来ない。
それに、モルヒネであれば、神経系統にも支障がある。
しかし、潤の痛みがどれほどかを知る誠一郎は、
激しすぎる痛みでのショック症状も恐れて、
出来るだけの痛み止めを潤に与えた。
もう、切れている頃かもしれない。
「潤はここだよ。
まだガラス越しでしか会わせられないのだが、私が潤に、君たちのことを伝えるよ。」
そう言って去っていった。
カーテンが開く。
2人がそこで見た潤。
痩せこけて見る影もない潤が、
何本もの管と線に繋がれて、悶えている姿だった。
「ぁぁぁあああああ、、、、、、ぁぁぁぁあああああ、、、」
眉間の深いシワ、汗、震え。
ぎゅっと目を閉じている潤に、誠一郎が声をかけた。
微かに首を振ったように見えた。
ガラスの窓に貼りつくようにして、
少しでも目だけでも合わせられたら、
という2人のささやかな希望は叶えられず、
潤は、なおさら呼吸を乱してしまった。
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