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マコは兄に覆い被さって泣いた。
「お願い、、、だからっ、、お願い、、だからっ、、
兄さん、、、、
死んじゃったらっ、、、、だめっ、、、だからっ、、」
ドクドクとお腹で脈打つ音と、マコの悲痛な声。
次第に、マコの声が弱々しくなっていく。
誠一郎が来て、マコを抱き上げようとすると、
嫌だ嫌だと、潤にしがみつく。
「マコ、そんなにしたら、折れてしまうよ。
お前も具合が悪いんだ。
父さんに任せてお前は帰りなさい」
「父さん!知ってるのっ、、?
兄さんは、僕にしか、視線を合わせない!
骨なんか、折れてもいい、兄さんが、、、兄さんが、、、」
「マコ、骨なんか、なんて言うんじゃ無い。
母さんがどれだけ悲しむかわかってるのか?
帰りなさい、マコ」
母を持ち出されれば、これ以上、無理を言えなかった。
渾身の力を使ったために、身体の骨が酷く痛んだ。
でも、マコは、兄を守りたかった。
今日ほど自分の身体を恨めしいと思ったことは無かった。
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