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93 誠一郎 頭を下げる
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潤が眠っている間に、天海と日向が、何回も見舞いに来た。
誠一郎は、2人を、病院近くのカフェに連れて行き、
潤の学校での様子を聞く。
息子について、何も知らないに等しい。
「僕らも、まだ潤くんの事を知らないんです。
すみません。なのに、友達だなんて言って。
でも、僕たち、潤くんの友達になりたいんです」
日向の言葉に、胸が熱くなった。
「潤は、、いえ、、潤くんは、、」
「潤、でいいよ、天海くん。
普段通りに話してくれた方が、話しやすいだろうから。
日向くんも」
「あ、ありがとうございます。では、失礼して、、、
潤は、クラスではほとんど喋らないんです。
俺が話しかけても、机に突っ伏してしまうし、
よく教室を出て行ってしまう。
時折、具合でも悪いのか、辛そうにしてて、
授業に出ないこともありました。
真面目なんですが、人を寄せ付けない、というか、
すみません。
良いこと、話せなくて」
誠一郎は、息子にずっと異変が起きていたことを悟った。
ツレない態度をとる潤のことを、
友達になりたいと言ってくれる2人に、
深々と頭を下げた。
「ありがとう、、、。
それでも、潤には、こうやって友達がいる。
本当に有難い。どうか、潤の良い友達になってください」
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