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100 回復とは言えない回復
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身体の苦痛と幻覚と、心の悲鳴の中でも、
僕は回復に向かっていった。
腸を動かさないように、消化液が出ないように、
長い間の絶食。
食べるだなんて、生きる努力であって、生存欲なのであって、
そんなもの皆無なのだから、食べなくても良いことに、ホッとしている自分がいた。
今7月ということは、約2ヶ月、食べていない。
生きられたのが奇跡だったと、父が言った。
「ありがとう」そう口先だけで言う自分が、申し訳ないけれど、どうしようもないんだ。
そして、意に介さず、
少しずつ、リハビリが始まる。
足の曲げ伸ばしの運動は、
腹が痛くて、常にもがいているんだから、
それは運動では無いのかと、突っ込みたくなる運動。
痛い時間が増えてぐったりする。
腸を動かすリハビリ。
腸に負担のかからない液体を少しずつ飲まされる。
はっきり言って不味い。
息を整えて、何とか飲み込むことを繰り返す。
癒着しやすい腸を、動かすことで癒着を避けたいと言う。
僕の腸は、きっとぐちゃぐちゃになったんだ。
腐ったし、血便を出したし、癒着した。
「腸は、第2の脳なのよ。」
看護師の何気無い言葉に、傷つく自分。
腐った僕の腸、だから頭も腐ってるんだと言いたいんだ。
はっ、、バカじゃないの、僕は。
死のうと思っている自分が傷ついた事に、
バカ過ぎて悲しくて、
悔しくて、腹を殴ってやりたいのを、
マコを思って、、、
堪えた。
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