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※記念日にしようか
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腕を掴まれたまま、ワカメが家の鍵を開けようとするけど、なに焦ってんのかガチャガチャ、ガチャガチャって、中々開かない。やっとカチッと音がして、ワカメはドアを乱暴にこじ開けた。引っ張り込まれる、体勢を崩す暇もなく、オートロック式のドアに肩を押し付けられた。デカイってお前。影になる、包み込まれる、あ。って思った隙に、ワカメの長い脚が俺の脚の間に滑り込んできた。手は、握られたままだ。強く、握られたままだ。ワカメの顔を見上げると、見たこともない顔をしていた。前に、ちょこっとエロいことしたときよりもずっと、男 ってかんじ。捕食する側の目、肉食獣の目、長い髪の隙間から見えるその目が、欲情を表していた。も、だめだって、そんな目ぇされたら、怯む。
怯むけど、俺は目を離さなかった。むかつくじゃん、負けた気になるじゃん、絶対ヤダ。お前なんかに、お前みたいなやつに、俺が…夢中なんて。ムリ、そんな怖い心情なんてばれたくない。余裕を、余裕を、って、どっどっどっと、速い心臓の音、バレないように、睨むんだけど。押し負ける。ワカメの鋭い眼光と、手に込められた力。お前、手汗すげーよ、って、俺もか。
「鍵、しまっちゃったけど。」
知らねぇから、と続けられたその唇が、そのまま俺の唇に降ってきた。知らねぇってお前、なんだそれ、責任もてよ、なんて言う暇なんてない。くっついた唇は、薄く開かれて舌が口の中に入り込んでくる。大人のキス、お互いそんなにやったことないはずなのに、気持ちいいから嫌になる。ザラザラの舌が俺の口の中をなぞって、吸って、絡め取られると顎の奥がゾワゾワした。困る、んだけど、腰に来るから。
「んっ、む、ぁ、は……ぁ、長っ、んむっ、わ、ちょ……っ!」
長いって!!!息、上手く、できない!掴まれたままだった手、指が絡まってきて、隙間はゼロ。これは恋人繋ぎってやつじゃねぇの、とか、そんなこと考えれる余裕がないぐらい弄られる口の中、噛みちぎってやろうか!そのクソ長い舌!
やっと離れた、と思ったらワカメは無言で。俺はあいてる方の手でべちゃべちゃになった口周りの唾液を拭き取る。ほんとどこでスイッチ入ったのかわかんねーんだけど、心臓の準備、する間もなくこんな…こんなの…!
絡まった指、ほどけることはなくそのまま引っ張られる。押し付けたり引っ張ったり自分勝手にしすぎだから!その力に、俺は勝てないのに。
ワカメが、雑に靴を脱いだ。そしてそのままワカメのペースで部屋の中に連れ込まれる。
「ま、まてまて!靴!俺靴脱いでないから!」
「知るかよそのまま上がれば」
「できるか!アホか!」
何をいいだすんだこのもじゃもじゃ野郎は!人の家にきて、靴を揃えないなんてありえない。ありえないけど、今、そんな時間はない。できるだけ丁寧に脱ぎ捨てた靴。それを確認したワカメはさっきより強く俺の手を引く。リビングの手前、八畳の部屋。入った途端、ワカメは部屋の鍵を閉めた。かちゃ、っと、なんか生々しくて、その音が異様に恥ずかしくて、ワカメの目が……み、れない。
「準備できた?」
「あ?」
「心臓の準備。」
なんだか、今日のワカメはとてもご機嫌らしい。一歩、一歩、俺に迫ってくる。それを避けるように一歩、一歩、後ろに下がると、ワカメは見たことも無いような顔でニッと笑った。な、…なんだその笑顔、ば、ば、ばばばばかじゃないの…!!
睨むことも忘れて、顔を染めることしかできない。そしたらさっきと同様に、肩を軽く押された。体勢を崩した俺は、ぼふん、とワカメのベッドに座り込む。
反転。
白い天井と、視界の端に映るのはアニメのポスター、あ、さっき見た映画のあの子だ、モモちゃん。
「俺、モモちゃんじゃないけど」
「分かってるわアホか。お前なんかモモちゃんより百倍ブス」
「でもこんなことするんだ、俺と。モモちゃん見てんぞ」
「冗談言って気でも落ち着かせてぇのかお前は。俺が今誰のこと見てると思ってんの。」
バレてる。
だってなんか、お前とこうなるの初めてじゃなくても、初めてじゃなくても!やっぱ緊張するし、きょ、う、は、多分、最後までやるんだろ。まだ俺が女役ってのが納得いかねーんだけど!俺こんなデッカい男、抱けないし!マジ身長差恨む、体格差も恨む、俺がお前と同じぐらいたくましけりゃ、絶対いいようにさせないのに!
ちゅ、と瞼に、キスをされた。
させ、ない…のに。
させる、かも。
もうだめ、俺ワカメに弱いよ。
さっきのセリフだってよく考えりゃめちゃくちゃ、恥ずかしい。お前の黒い目に、俺しか映ってない。
お前は俺しか見てない。
いつのまに、そんなかっこいい顔するようになったんだよ。いつ、腹くくったの。なぁ、もう俺、どうしたらいいかなぁ?
「グーグルで調べたから大丈夫」
「ネット知識かよ」
「当たり前だろ、お前が初めてなのに」
そらそうだ。15歳にして男の経験があったらびっくりするわ。ワカメの手つきがいちいち、優しいからウザい。死んだらいいのに。頬に添えられた手が熱いよ、お前緊張してんだろ、俺のほうが緊張してますけどね!!
頬にあったデカイ手は、そのまま首におりてきて。俺の身体をすこし浮かしてコートを脱がされた。そしてコートをその辺に投げられた。おいこら雑に扱うんじゃねぇよ。って、思ってんのに、熱い手のひらがセーターとシャツをめくって、中にはいってきたから、言葉が遮られる。
「っ、」
くすぐったい。めちゃくちゃくすぐったい。そんなそっと触ってくんのやめろよ、ぞわわっと鳥肌が立った。まさぐる手のひらはすこしずつ上に上に、登ってくる。
ついでにめくられた服も上に、上に。苦しいから脱ぎたい。
「服、邪魔」
おんなじこと考えてたらしい。そんなむっすりした顔すんなよ、邪魔ならコート同様ぬがせばいいじゃん!
「はい、ばんざーい」
「は?えっ、」
「うわ、すげえなお前。どんだけデケーシャツ着てんの、シャツごと脱げた」
「さっっむ!!!」
バンザイ?とか、そんな雑な脱がせ方あるか?!
ワカメはコートを着たままだからあったかいかもしんないけど、上半身裸にされた俺は寒いどころの騒ぎじゃない。だから、俺の腹に乗せられてるワカメの手のひらが余計に熱く感じる。
ムカついてきたからワカメのコートを引っつかんでキスをした。ムカついてたまらない、俺すげー寒い。早くお前も脱げば、やることやるんだろ、ずるいよお前。
真っ黒のダッフルコート、キスをしながらボタンを全部はずしてチャックを下ろすと、ワカメは俺の顔を無理やり引き剥がした。
「っ!じぶんで!脱げるわ!」
ばっ、とコートをぬいだワカメの顔が真っ赤だ。あ、これ俺、攻めれんじゃねぇの。って思ったのもつかの間、ワカメが乱暴にセーターを脱いだ。男らしすぎて絶対無理だとおもった。シャツのボタンを外して、セーターとシャツを丸めて床に放りなげるワカメ、ちょっと、まって、また鍛えた?前より腹割れてない?
「……寒っ!!!!」
「だから言ったじゃん!!だから言ったじゃん!!寒いって!」
そういうとワカメは眉間にシワをよせた。すぐにそのシワは消えて、またさっきと同じ、ニッと口の端を持ち上げる。
「テンション上がったら暑くなるんじゃねぇ?」
「んじゃ早くテンション上げてくんね?」
むかつく、むかつく、むかつくから、いちいちかっこいいのがむかつくから、俺も同じようにニッと笑ってやる。尖った喉仏が上下に左右するのが見えて、あー、俺煽っちゃったな、って。
思うわけです。
手のひらがくすぐったい。腹を這ってたそれが胸に達して、胸板を撫でられる。長い指が鎖骨にかかるのもくすぐったい。くすぐったい。
「びくびくしてる」
「っせぇなぁ、くすぐったいんだって」
「くすぐったいとこって性感帯らしいぜ、よかったな。つーか鎖骨にもヘソにもホクロ、お前なんなの?ホクロマン?」
「…い、ッ、遺伝!」
ホクロが多いのなんてどうでもいいだろ!
でもワカメの唇が、俺のホクロに吸い付いてくるからもう、なんか、ホクロ多くてよかった。…なに言ってんだ俺!
鎖骨に吸い付いてきた、ヘソに吸い付いてきた、そしてまた、瞼にキスだ。そんなにホクロが好きか。
ワカメの手は俺のあばらをなぞる。恥ずかしいはなしだけど、俺は筋肉もつきにくいし太りにくいからあばらも浮いてる。それを、指の腹でなぞられると、くすぐったいを通り越してもうなんか、勃起するんだけど!
「っ、!ッッ!」
「…唇噛むなよ」
「だって…あっ!」
ばっ、と両手で口を押さえた。突然ワカメが乳首を押しつぶしたからだ。なんの前触れもなく、そんな皮膚の薄いところ押しつぶすか?!
「…お前乳首感じないんじゃなかったっけ」
「ぃ、びっくりしただけだよ!」
「ふーん」
「ん、…ちょ、お前」
「乳首ちっせーよな」
「男だもんよ!あ、なんか、変な感じ」
ワカメの手が、親指が、俺の胸の飾りを押し込むようにいじり倒すから、もう本当やめて、感じないはずなのに腰が引けるから…!!
「なぁ。今日はマジでやめないから。」
「わかっ、ってるよ!!」
「分かってねーよお前。ここ、俺の挿れるよ」
突然、ズボンの中に。いやもうむしろパンツの中にずぼっと手を突っ込まれた。そしてさっきまで胸のをいじっていたはずの長い指が、ちんこをスルーしてピタッと、ケツの穴に、触れる。
さすがにそのまま指をら突っ込まれたりはしなかったけど、ズボンはもう膝までズラされて。半分勃起したまんまのちんこがパンツを押し上げてるのが自分でも見えるような中途半端な脱がされ方をされている。
なんだこのワカメ、さっきからいやに確認してくるな…!俺がそんなに腹くくってないようにみえんの?!
うっざいなーもう!
「分かってるよ!!!」
思わず大きい声がでた。分かってねーのはお前だ。誰がこのんで男に、脚開くとおもってんだよアホか!!
「今日何日?なんなら今日記念日とかにしようか?初めて記念日!」
「…何言ってんのお前」
「ビビってんのはテメーだワカメ!挿れるなら挿れろ、そーいう関係なんだろ俺たちは!つーか寒いから早く!」
ワカメのもじゃもじゃ狂った髪をひっつかむ。ズボン邪魔だわ。手を使わず脚を動かしてズボンを脱いだ。手はワカメの後頭部、だらだら髪の毛伸ばしやがってこのワカメ、それも邪魔だよ。耳にキスできないだろ。真っ黒の髪を耳にかけてやる。そのまま顔を近づけて耳元で囁く。
「準備完了。」
どうなってもいいってのは嘘だけど、ちょっとぐらい男としてどうかと思うアレコレも、お前が相手ならまあいっかなって。そう思うぐらい惚れてんだよ。
大っ嫌いだったけど。お前なんて。
むかつくけど。お前なんて。
それでもそんな欲情的な顔を俺に向けてくるようなお前に、俺は弱いよ。
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