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※たすけて
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ハナクソが憎い。あざとい男だ。憎い、半殺しの刑に処したい。赤い耳、頬、目元、唇、くそが、色気づきやがって、くそが。くそが。く、そ、が!
まぶたにくっついてるハナクソのハナクソが、ハナクソがまぶたを閉じるたびにチラチラチラチラチラチラチラチラ!
ほんとは苦しいのか、ほんとに気持ちいいのか、ぎゅっと目を閉じて唇を噛む、その姿、憎い。
その後すぐに掠れた声が、吐息が、俺の理性をかき乱す。あー憎い憎い!
女の股を触ったことがないから、男と女じゃどう違うのかわかんない。でも、ハナクソのケツはこれからうんこをするだけの器官ではなくなるわけで、それにはそれ相応の負担とリスクがあるわけで、こいつのこと憎いけど、痛くしたくはないわけで。昨日爪切っておいて良かった、ナカ傷つけてねーよな、大丈夫だよな。わかんねえことだらけだ。カラダの中ってのはすげえな、皮膚の上から触るより百倍熱い。
初めはぴっちりと閉じられてたケツの穴。ローション様は偉大だ。塗りたくって塗りたくってそりゃもうベッドのシーツが大変なことになってるぐらいには塗りたくって、そしたら少しずつ開いてきた。その過程がもうエロいわけで、俺の股間は意味わかんないぐらいそそり勃っておりまして。
挿れたい、まだ早い、挿れたい、まだ早い、挿れたい、痛くしたくない、挿れたい、泣かせたくない、挿れたい、怖がらせたくない、挿れたい、挿れたい、挿れたい、気持ち良くなりたい、気持ちよく、してやりたい。葛藤がヤバイんだけど。だから頼むわ、もうお願いしますほんと、抱きつくのやめろ。俺に触んな。ほんとこのまま突っ込みたくて仕方ないんだから、まて、落ち着け、前立腺前立腺…ここをいじるとイイって聞いたから見つけだしたら、ハナクソも例外ではないらしい。細い腰がびくんびくんって跳ねる。骨か!っていいたくなるような脚が、少しずつ閉じようとしている。強い快感に耐えられないのか、ケツっていう未知の世界に怯えているのか、どっちにしろ、とてもあざとい。
俺の中指の長さと、ハナクソの前立腺の位置は絶妙らしい。ぐりっと少しだけ張ってるそこを撫でるように押すと、やっぱりハナクソは声を殺す。気に食わねー!そんなこと、する必要ないのに。
「んぁ、あ…!く、っ…や、ぅんんっ!」
「…手ぇ噛むなって。」
「そこ、ほんとイヤ、だ!っ、は…あ、た、…たすけて、」
「何、やめる?お前の覚悟ってそんなもんかよ」
「ちげーよ!ばか、あの、…ワガママ聞いてくれる?」
「モノによる」
「ぅ、…あの、さ、そこばっか触ってたら、気持ちいいんだけど、なんか、なんか……奥のほうが、すげぇむずむずする、ん、だよ…!痒いっつーか、なんか、わかんねーけど!だから、助けて」
それは、つまり?
ん?それは?つまり?は?
お前わかってんのか?人間の指つったらお前、中指が一番長くてな。それより長さの誇るもんなんてねーよ人体に!たった一つを除いては!
「今、お前のケツは指三本を受け入れるまでに達したわけですが」
「すげーな、人間やってみりゃなんでも出来んだな」
お前のケツに俺の指が咥えられてるとこを、さっきから俺ずっとじっと見てるわけなんだよ。わかる?
赤くなったそこが、いちいちローションでテラテラテラテラ、エロいんだよ。わかる?
さっきから我慢、してるんですよ。わかる?
「ってことは、お前のそれも、やってみりゃ出来っかもしんねぇじゃん?だ、…から、」
俯いてしまうハナクソ。
だ、から…?
「どうぞ、挿れてみてくだ、さい」
天よ。
神よ。
この男は一体なんなわけですか、俺の頭ん中ぐちゃぐちゃにして、心臓バクバクにして、そんで、こっちみんなってだから、目尻に涙、滲んでるくせに。俺の手首をつかんで、指を引き抜くお前に、俺のハートは、思考は、停止。
あざとい奴は嫌いだった。
どんなゲームしても、あざといキャラにだけはハマんなかった。頭ん中にこいつの顔がチラついて離れなかったから、ほんっとイヤだった。
だからモモちゃんが好きだった。マイナーだってよく言われた。モモちゃん、俺、モモちゃんじゃない奴とこんなことしてるよ。ごめん、俺も心はもう、モモちゃんじゃなくて
完全にこいつのモノだ。
学校で習った性教育とは違うことをしている。簡単にいうところ、女の股に男のブツを突っ込んでナカでだしたら赤ちゃんできちゃうよ、っていう性教育とは違う。男のケツに男のブツをつっこんだところで、赤ちゃんは出来ない。
俺もお前も男だ。
本来、カラダん中にナニを突っ込まれたりするはずがない種族で、それでも、それでも、そうしたいって思うほど惹かれて、むかつくんだけど、嫌いだったんだけど、それでも、どんな可愛い女の子より、目つきも口も態度も悪い、お前がいいなんて。
あんなに嫌いだ嫌いだっていってた、俺を、プライドの高いお前が、俺を、求めるなんて。
「………なんだよ、そんな、泣きそうな顔すんなよ」
「してねぇよ目ェどこについてんだハナクソ、クソクソクソ」
「こっの…!ワカメボケ、そこは初めてを捧げる俺になんか優しい言葉とかかけろよ!」
「キャラじゃねぇだろそんなの!…ゴムつけるから待って」
ぎし、っとベッドが軋む、腕を伸ばしてデスクの引き出しからゴムを引っ付かむ。箱のまま入ってるそれ、俺の手が震えてるのか、掴んだ途端落とした。バラバラと床に散らばるそれを無視して、一つ。
こんなのさ、齢15にして使うと思ってなかった。俺には無縁だと思っていた。ゴムの付け方なんかわかんねぇよ、ほんと、わかんないことだらけ。
「なー。俺さ、お前がすきだよ」
「…は?」
ゴムの袋を破ろうとしていた俺に、このハナクソなんつった?
ぽろっ、と手の中からゴムが落ちる。小さいぽと、という音がした。驚きすぎて落とした、何、え?は?ハナクソの顔を凝視すると、ハナクソはふはっと噴き出す。
「なんだかんだ気にかけてくれて、そんなになるまで我慢してくれて」
細い指、骨ばった指が俺のナニを指差す。
「起用じゃないくせに、丁寧だし。文句ばっかいうけど俺のワガママ聞いてくれるし、ほんとは…優しいし。泣きそうなときはお前がいっつも傍にいて、なんも声はかけてくんねーけど、どんなに寒空の下でも、黙って待っててくれるし。喧嘩しかしてこなかったけど、絶対俺のこと殴ったりしなかったし。俺、考えてみたんだよ。なんでお前と付き合ってんだろーって、なんでこんなに苦しくなるんだろって、むかつくぐらい顔が綺麗だからかな、とか、むかつくぐらいかっこいいからかな、とか。……まー、それもあるんだけど、そうじゃなくて。焦ってゴムばら撒いたり、俺のパンツで手ぇふいたり無茶苦茶するけど、歩くスピード落としてくれたり、自転車の後ろ乗せてくれたり、くすぐったいぐらいそっと触れてきたり、…そういうとこが、たまらなく、
すき。」
みたこともないような、柔らかい表情で微笑まれた。なんだよ、なんでこのタイミングでそんなこと言うんだよ。お前はいっつも、俺が口に出来ないようなことを言うから、お前はいっつも、俺にはできないようなことをするから、いっつも、いっつも、俺ばっかり何も言えなくて、今だってそうだ。俺もお前の嫌いなとこも好きなとこも、数え切れないぐらい言えんのに。この口は一文字に結ばれたまま、お前の顔、見つめるだけで。
「もう、お前のことを嫌いになる方法がわかんない。責任とって大事にしろよ、俺のこと」
苦しいんだ。ずっと苦しいんだ。
お前に恋をしたことを自覚するずっと前から、苦しいんだ。
どうやったって損するその性格も、いつも一人で堪えるその心の弱さも、他人に向ける笑顔の胡散臭さも、すげーー嫌いで、だけど、そんなお前が俺の前ではころっと素に戻って、秘めてる性格の悪さも全部曝け出して、そんで、たまに本当に笑うのが。たまらなく、たまらなく
「すきじゃ足りねぇから、俺の勝ち」
ハナクソの頬を撫でる。「負けたわ」って笑う口、八重歯がチラつく。
多分毎日喧嘩すんのは変わらない。
毎日イラつくし、毎日嫌いになる。
その百倍、毎日好きになって、このまま死ぬまで、死んでも、お前のこと考えてそうでほんっと無理。
「お前も俺のこと大事にして、メンタル弱いから。末っ子なもんで」
「お前みたいな厄介な奴、俺じゃねーと無理だろ。」
「なんの自信だよ。お前のせいでゴムの付け方ますますわかんなくなったんだけど」
「俺だってわかんねーよ、とりあえず被せてみたらいいんじゃね。伸びるもんだろそれ」
「はっ、…手ぇ震えて上手くできねぇ」
「バカ、貸せ!俺がつけてやろう」
「やめろ触んな出るぞ」
「我慢するからそーなるんだろ!」
我慢だってしますよそりゃ。
大事に、してんだから。
好きじゃ、足りないんだから。
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