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〃 ⑧
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純は、この上なく優しく笑って、
両手で御幸の顔を包み込み、
素早く その唇にキスを落とす。
ちゅっ
「?!!」
あっという間の口づけだったが、純の熱が感じられて 御幸の胸が震える。
「純さん…!」
「……ごほうび、の、忘れ物だ」
純が、顔を赤くして横を向いて言う。
「今日は特別だ。もう しねぇぞ…!」
(そうだよ、純さんからキスなんて初めてだよ!)
「純さん!!」
もっと!と、御幸は純に抱きつこうとする。
「あ、いてててて…っ」
脇腹が痛み、また椅子に座り込む。
「お前、大丈夫か?!」
「大丈夫……じゃないス。
……も、1回 キスしてもらったら治ります!!」
「ばかやろ。もう、やらねぇって言っただろ!」
2人で顔を見合わせて、アハハと笑う。
夏の敗戦の苦い思いは 消えていない筈なのに、
自分たちを祝福してくれる━━━
純や、3年生たちの 懐の深さ、
器の大きさを感じながら、
御幸は 優勝の喜びを改めて噛みしめていた。
おしまい
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