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〃 ⑥
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「御幸が純を好きだから、でしょ」
「う……」
純が上目遣いでオレの顔を見てくる。
「降谷の方は相変わらず、なんでしょ?
哲と付き合う訳でもナイみたいだし。
そしたら御幸が図に乗るのは目に見えてるじゃん
……ま、あと少しで3年は自由登校になるけど、ね」
ずけずけ言うオレの横を、クラスの連中が通って行く。
皆が帰りだして教室が広くなっていく。
「そうだな……春からオレは関西だしなぁ。
あと少しか……名残惜しいぜ」
純が感慨深げに言う。
だからさ!
そういう感傷的な瞳が、さ!
それが御幸に つけ込まれてるスキなんだ、って事が
分からないんだよね、純は。
「分からせてあげるよ」
「? …何を だ、亮介? 」
あの日のように、オレ達以外 誰もいない教室。
2人で机を挟んで座って、お互い見つめ合ってる。
オレは、純の制服のネクタイを掴んで、その顔を
ぐいっと自分の方に引き寄せた。
ふっ、と息を呑む純。
その唇を じっと見つめながら、オレの唇を重ねていく。
あの時の、2人のように。
影が、ひとつになる。
お互い 目を瞑らずに、見つめ合ったままの口づけ。
一瞬のようで、
永遠を感じた。
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