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お狐様にはご用心
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さーてさて、早速テオと羚と一緒に3人で聞き込みに出発したんだけど……
あ、縲さんは泣きながらお仕事に戻っていったよw
羚「聞き込みって言っても、誰に聞けばいいんだー?」
テオ「その辺の子達に聞けばいいんじゃないかしら?」
それから、色んな生徒達に生徒会について聞いてみたが、「イケメン」、「ハイスペック」、「お金持ち」、「憧れる」等似たようなことしか皆言わなかった。
伊「うーん。これといって収穫はなかったね…」
羚「だな。どいつもこいつも同じことしか言わねーし」
テオ「まぁ、仕方ないわねぇ…。やっぱり生徒会に近い人物…、もしくは本人達に聞くしかないのかしらねぇー」
3人でうーんと悩んでいると、背後から異様な気配を感じた。
バッと振り返ると、そこには見知らぬ男が1人立っていた。
「お前達か?なにやら嗅ぎ回っているのは」
伊「え?」
その男は鋭い目付きでこちらを睨みつけていた。
その瞳は赤く美しいが、何か恐ろしい感じする。
伊(何こいつ怖っ………)
伊織が男の威圧感に怯えていると、テオと羚が伊織を庇うように前に出た。
羚「誰だお前」
「人の名を聞く時はまずは自分から名乗るのが筋じゃないのか?」
テオ「あーら、ごめんなさぁい♪私はテオよ。んで、こっちのワンチャンが羚」
羚「ワンチャン言うな!!」
男の高圧的な態度に、笑顔で返すテオ。
もちろん、噛み付いてきた羚もガン無視だ。
「フンッ……。名乗られたからには仕方ない、俺様の名を教えてやろう!俺様は狐妖 炎琵!しっかり覚えておけよ」
羚「なっ!!」
テオ「あら〜…」
マジか!コイツが生徒会長の狐妖……
向こうから来てくれたのはラッキーだ…
伊「あ、あの……」
炎「ん?あ、お前。まだ名乗ってないだろ」
伊「え?あっ、す、すみません…」
炎「フン、今すぐ名乗れ無礼者」
伊「あ、天城 伊織……です……」
炎「見た目と同じで地味な名だなw」
なんだコイツ腹立つぅぅううう!!!!
あぁ!でもコイツ、ムカつくけどイケメンだし言い返せない!
イケメン滅べ!!!!
テオ「人に名前聞いておいて、そんな言い方酷いんじゃなーい?」
テオが顔を引きつらせながら炎琵ににじり寄っていく。
炎「俺様は思ったことを言ったまでだ。それよりもこちらの質問に答えろ。お前達生徒会のことを嗅ぎ回っているだろ?」
羚「だったらなんだよ!」
炎「何が目的だ?」
テオ「目的なんてないわよー?ただ大人気の生徒会様たちのことが気になっただぁけ♡」
炎「それは嘘だな」
テオ「あら、ほんとよー?」
テオって本当に平気で息するように嘘つくよな。
ある意味尊敬するよ………
炎「俺様が気づいてないとでも思ってるのか?お前達……、人ではないだろ?」
「「「!?」」」
テオ「…………なんだ、バレちゃってたの」
伊「ちょっと、テオ!!」
テオ「今更隠し通せないわよ。そうよ、私とこのワンチャンは人じゃないわ」
炎「やはりか。人外が俺様達を調べてるということは……、こちらのこともバレているんだな?」
羚「あぁ…、お前らがただの人間じゃないってことは知ってるぜ」
炎「なるほど………。まぁ、それはわかった。が、問題はソイツだ」
そう言うと炎琵は伊織を指さした。
え、俺??
炎「ソイツはただの人間だろう?何故関わっている。そもそも、人間に知られてはいけないはずだ…」
炎琵からは明らかな敵意が感じられる。
言葉を発する度に、その姿は徐々に変わっていった。
耳が生え、大きな九つの尻尾が現れた。
そして、その瞳は先程よりも怪しい光を宿し、輝いていた。
羚「その姿………、お前九尾狐か…」
炎「その通りだ…。神聖な俺様の前にひざまづくか?」
羚「はぁ?冗談よせ」
炎「お前…、随分無礼だな……。まぁ、今はいい。それよりも…、その人間。人外のことを知ったからには、生かしておくわけにはいかんぞ」
そう言うと、炎琵はテオ達が変身する前にいつの間にか伊織の後ろにまわっていた。
伊「!!??」
え、速すぎじゃね……???
テオ&羚「伊織!!!」
炎「ふむ…、どうやって始末するか……」
伊「………は、はな…せ…」
片手で伊織の首を掴み持ち上げる。
変身しているせいもあるだろうが、相当な腕力のようだ。
本気ではないものの、ゆっくりと首を絞める手に力が入れられていく…
伊織は必死に抵抗するが、人と人外では力の差など歴然である。かなうはずなど無い…
伊「………ガッ、…ハッ…!」
呼吸が出来なくなり、目じりには生理的な涙が溜まっていく。
炎「……!!」
一瞬だが、赤い瞳が揺れた……
羚「その手を離せ!!」
羚が炎琵に向かって殴りかかった。
炎琵がそれをかわし、開放された伊織は床に落ちる寸前でテオによってキャッチされた。
テオ「大丈夫!?」
伊「ゲホッ、ゲホッ!だ……、だい、じょ…ぶ…」
テオの顔を見れば、綺麗な顔を酷く歪めていた。
泣き出しそうな顔に、伊織は少しだけキュンとした…。
俺こんな時に何キュンとしてんだよ!?!?
バカか!!!!
羚「おいオカマ!そっち行ったぞ!!!」
羚の声に2人がハッと顔を上げると、炎琵の鋭い爪がテオの首を狙っていた。
テオ「…!!!」
ギリギリのところでテオが避けると、炎琵はニヤリと笑みを浮かべた。
炎「なるほど……。お前達、雑魚というわけではないようだな…」
テオ「当たり前でしょー?舐めてもらっちゃ困るわぁ〜」
炎「フッ、いいな。楽しめそうだ……」
そう言うと炎琵の体が激しい炎に包まれる
炎「最近退屈だったんだ。せいぜい楽しませてみせろ…。じゃなきゃソイツ…」
伊織のジロリと見ると、より一層口角を上げ、目を細めた。
その目は本物の狐のようだ…
炎「ソイツを俺が食うぞ」
伊「はい!?」
え、俺のこと食うの!?
カニバリズム!?あ、でも人外だから違うか……
いや、そんなのどうでもいいわ!!
俺、食われんの嫌だよ!?
羚「んなことさせるか、ボケがぁ!!!」
羚が額に血管を浮き上がらせながら、牙を剥き出しにして吠えた。
テオ「ワンチャンと同意見よ〜。あんまりふざけた事言うなら殺しちゃうわよ?」
テオも冷静だが、牙と爪を出しながら戦闘態勢に入っていた。
伊「もう、なんなんだよこれー!!!」
はたして伊織どうなる!?
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