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幼なじみ-2-
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俺は、ワックスで固まった髪をただ見つめる事しか出来ない。
ただ唇と唇を合わせているだけの軽いキスの筈なのに、心臓がバクバクと痛いくらい鼓動して何十分もキスされている感覚に侵食されていく。
俺が動けずにいるとワックスで固められた金髪が離れていく。
固まっている俺を見つめながら、拓海は唇をゆっくりと舐めとり。ふっと笑うと、まるで餓えた肉食獣のような瞳をゆっくりと細め口を開いた。
「司、なんて顔してんだ。いつも以上に変な顔になってんぞ」
「た……た……拓海がキスとかするからだら。キスするなんて何考えてるんだよ。普通あり得ないだろ……」
喋り出した拓海の雰囲気が、何時もの拓海に戻り俺の顔を見て面白そうに笑うから、からかわれたんだと思い、俺は無理矢理口角を上げた。
だが、拓海はいつものようにふざけて返事を返す事はなく黙り込んでしまった。
「……拓海?」
黙り込んだ拓海を動ける範囲で見上げようとすると、優しく頬を撫でられた後、耳元に口を寄せると優しく囁き始めた。
「司。俺さぁ、お前の事ぐっちゃぐちゃに犯し尽くして愛してやりたくてたまらねぇんだよ。だから、そんなに拒絶しないでくれよ。なぁ、司はいい子だもんな?」
「……たく……み?」
親友だと幼なじみだと思っていた奴に、犯したいと愛したいと、地獄のような言葉を囁かれ耳を舐められ思考が追い付かない。
そんな俺に、拓海は地獄のような甘い囁きを続ける。
「ずっと前から好きだった。最初は、お前を好きになったんだとか悩んだんだぜ。まぁ、高校に入ってから無理矢理犯して俺が居なきゃ生きていけないような体にして。死ぬまで愛してやりたいって思うようになったけどな」
「そんな……拓海……俺は……俺は……知らない」
「当たり前だろ? 知られないように隠してたんだからでも知っちまったな? なぁ、司?」
声と体がガタガタと震えていく、薄暗い中でもわかる親友の見慣れた微笑みがグシャグシャと歪んでいく。
拓海は、俺の頬を撫でながらもう一度顎を掬い取ると軽いキスをしてきた。
キスをされ、親友とキスをしているんだとより深く実感してしまう。
親友の知りたくなかった唇の感触が伝わってくる。恐怖がじわじわと末端から俺を喰らう。
「そんな顔しなくても何もしねぇよ。今はな?」
拓海が唇を離して意味深な事を呟き、俺の唇を撫でると微笑んで俺の両目を掌で塞いだ。視界が暗闇に支配される。
今、俺に分かるのは拓海の甘く囁く優しい声と暖かい手の温もり。
そして、べっとりと絡みついて絶対に離さないとでも言うような暗闇だけだった。
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