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クラスメート
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バリンと音を立てて、俺の中の拓海達の記憶が崩れ落ち全ての記憶に靄がかかっていく。
拓海と過ごした楽しい記憶、康汰と初めて出会った時の記憶、修二と一緒にクラスで笑った記憶全てに靄がかかる。
『孕むくらいぐちゃぐちゃに犯して俺だけの物にしてやりたい』
『司さんの頬がオレの血で染まってる。嬉しいです。司さん。司さん』
『貴方はそのまま何もしないでいてください。私が死ぬまで面倒を見ます。だから、私に依存してください』
ーやめろ。思い出したくない。
そう思う度、靄は濃くなっていく筈なのに耳に瞼に焼き付いた光景は消えてはくれない。
俺は、頭の中の光景を拒絶するようにギュッと瞼を閉じると、そこには引き込まれそうな暗闇が広がっている。
引き込まれそうな暗闇なんて見たくもないが、目を開けても閉じていても一緒ならば拓海達の記憶を思い出すよりもいい。
引き込まれそうな“暗闇”、絶対に逃がしてはくれない“拘束”、塞がれている耳に流れてくる“無音”が恐ろしい。
何で、俺がこんな目に合わないといけないんだ。
これが、もし夢なら目覚めたら普通の拓海達がいて普通に笑い合いたい。
俺は、気を逸らすためにギリギリと唇を何度も噛み締め過ぎたのか口内に鉄の味がゆっくりと広がった。
徐々に口内に広がっていく鉄の味で、康汰を事を思い出してどうしようもない吐き気がして冷や汗が頬を伝う。
吐きそうになるが、三人の顔がちらつき吐ける訳がなく、何とか吐かないように耐えていると頬を撫でられた。
優しい手付きに少しだけ吐き気が楽になってそのまま吐き気が止まった。
「……んぐっ!?」
吐き気が止まった安心した瞬間、いきなり口内に“細長い物”を強引に入れられ、抵抗しようと体を動かすが手錠や拓海達のせいで抵抗らしい抵抗が出来ない。
抵抗出来ない俺を嘲笑うように細い長い物は口内を不規則に掻き回していく。
口内を掻き回されて、自分の唾液が口の端から零れ落ちていく感覚が気持ち悪い。
「んぐ……おぇっ……ん゛ん゛……やめ……」
やめてくれと訴えかけようにも、口内を掻き回されて上手く喋れなくて一方的に攻められる状況に頭がついていかない。
俺は口内を掻き回される感覚とグラグラと歪む視界に吐き気が襲ってきて口内にある細長い物を思い切りガリッと噛んだ。
そんな強く噛んだ筈はなのに口の中に鉄の味が広がって口の中にあったのが指だと分かり、気持ち悪るさと喉の奥を抉られた痛みと苦しみでえずき咳き込んだ。
「……おえっ……げほっ……げほっ」
俺は、げほげほと咳き込みながら口内に何も入れられないように口を閉じた。
暫く、咳き込んでいたが何とか咳は落ち着いた。同時に考え事をする余裕が出て来て、誰かも分からない奴の指を思い切り噛んだ事を思い出して冷や汗が頬を伝った。
取り敢えず、落ち着こうと無意識に唇を噛みかけた瞬間修二の手が右耳から離れて行った。
俺は片耳が自由になった事に驚いていると顎を掬われ軽く上を向かされた瞬間、咎めるような声が耳に飛び込んできた。
「里中。唇は傷になっちゃうから噛んだら駄目だよ。あと出来れば知らない人間かも知れないんだから指を噛んじゃ駄目だよ」
優しく咎めるような声は、また俺の“見知った人物”の声で俺は上手く息が出来なくなった。
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