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無言のままトイレまできて、フラついた足で立ちながら先に用を果たし。
でもなんか智也が横にいるから恥ずかしくて、これ出し切ったらどうしとうとかくっだらない事を考えていた。
手を洗ってから鏡越しに智也を見たら彼もこっちを見ていて…
「あの…トイレ?」
だってトイレに入ってから何もしてないから。
ただ壁に寄っ掛かりながらスマホ弄ってたから。
「そんなにフラフラしてたら危ないじゃん。」
あ、俺…か。
俺の心配か…
「ごめん」
「謝るくらいならもう飲むな。ほら戻るぞ」
「うん」
こうやって智也は俺の気持ちを掻き混ぜるのが上手い。
別れ方考えてたのに、まだ俺の事を気にかけてくれるみたいにしてたら…別れるにも別れられない。
だって気にかけてくれる度に、やっぱり俺の事まだ好きなんじゃないかなとか思っちゃうから。
好きだったら…まだ両思いなら一緒に居たいじゃん。
「お、やっと戻ってきたお二人さん」
戻ってきたらみんなさっきよりガヤガヤして、俺は席に戻ったけど智也が…
佐藤さんの隣に座った。
深い意味は…ない。
だって呼ばれたんだから。
智也は女性には優しいから断れなかったんだよ。
かっこわるい、俺。
今まで嫉妬なんかしなかったのに、いい大人になってからヤキモチとかかっこ悪すぎ。
でも、無理もないでしょ…
だって自分に自信なんかもうないから。
俺なんかを好きでいる意味もないから。
愛なんか…感じられないから。
「はぁ…」
「おいおい、幸せ逃げるぞ」
「うん…」
「飲めよこれ。アルコールあんまり強くないし。甘いし」
望月に勧められたなんか…チョコレートのカクテル?
カクテルって見た目より度が入ってるって聞いたけど…
でもチョコの匂いでなんか心が軽くなる。
グラスに口をつけようとしたら…
「あ、望月、グラス取り上げろ」
「は?」
「ゆう……堀川のグラス!もう酒のますな、見た目よりそいつ相当酒回ってるから」
「お、おう。堀川、取り上げます」
智也にストップかけられた。
美味しそうなのに〜ってすこしムスッとしたら望月に小さな声で
「入江に愛されてるね〜」
なんて言われた。
しかも俺の事を下の名前で呼んでくれた(言い直したけど)
顔が若干赤くなってたのは酒のせいだ。
ということにしておいてくれ。
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