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どこかで、間違った…そう思われるけど、俺は…俺たちは…なにひとつ間違えた事はしていない。
互いを解り合ってながらの決断だから。
これ以上は望まない、望まれない。
これだけで…
体だけでいい、そんな関係にいつの間にかなっていた。
きっかけは、堀川が新しく借りた部屋に引っ越す前日の事だった。
散々世話になったから奢ると言い、二人で飲みに出た。
そこまではいつも通りで、楽しかった。
が、楽しかったのは俺だけだったのかもしれない。
深夜に帰ってきてから、堀川の様子が違うのに気付いた。
「堀川?」
「うん」
「大丈夫?」
決して酒に弱くない堀川が、倒れるように床に座り込んだのを見て若干焦った。
でも他になんて声を掛ければいいのかわからなかったから、
そこで俺は間違ったのかもしれない。
「ねえ、なんで何も聞かなかったんだ?」
俺は、元彼との関係については、何も聞かなかった。
聞いてほしいともかんじたけど、聞かなかった。
「堀川には綺麗なままでいて欲しいから」
「わけわかんない」
自分でもわけわかんないよ。
でも、あいつを思い出してる堀川は、俺の目には綺麗に写らないんだ。
それが、俺は嫌だった。
「俺ね、中山が言ったように誘ってみたんだよね、セックス」
「うん」
「でも、それはまあ酷いセックスだったよ。あんな酷いセックスは、生まれて初めてだ」
「うん」
「それでも、俺は気持ちよかった。いい思い出だと思ってるよ」
「…」
わかってしまったのに…
堀川が何を言いたいのかを。
これ以上、堀川の話を聞いてはいけないのに、どこか、俺の中のどこかに
『汚してしまえ』
そう呟いてる自分がいた。
「忘れたいんだ」
「うん」
「俺は中山を好きじゃない」
「俺もだ…俺にはちゃんと愛してる恋人がいる」
「うん…でも」
堀川の事は好きじゃない。
そこには恋愛感情もない。
ただの、大学時代からの友人くらいにしか思ってない。
でも、俺には堀川が綺麗に見える。
そんな堀川を汚したいと思ってる。
あいつを思ってる堀川が綺麗で、汚いんだ。
だからそんな汚い堀川を綺麗にするために、汚すんだ。
そして自分も汚れていく。
「中山、俺を抱いて」
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