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好きなのに
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あの場所から出て行って二週間…
つまらないクリスマスも、一人でやり抜いて、もうすぐ年も明ける。
望月に紹介してもらったアパートは、会社から近くて、コンビニも近くて、ちょっと家賃は高いが、なんとか払えるくらいだから、すごく気に入った。
1LDKの、一人暮らしにはぴったしなアパート…
そこには俺のものしか置いてなくて、どこを見回しても、俺一人って感じで、部屋は気に入ったが、まだ慣れない。
だから、中山が暇してれば俺があいつの所に行ったりする。
でも逆は嫌なんだ。
ここに、俺の住処に他の男は入れたくない。
可笑しいかもしれなけど、なんとなく、
「もし智也が来たら」
の事を考えると…やっぱりここに他の男は入れちゃいけないと思う。
未練がましいのはうざいってわかってるけど、
あんなに好きだったんだ、いきなり一人になって智也の事は考えるなって方のが無理な話だ。
ーーーーー
「堀川、新しい人とか探さないの?」
中山と、俺を崇めるようなセックスをし終わり、二人で横になってる所、中山にそう聞かれた。
俺は、中山をセフレだとは思ってない…
でも、多分そんな関係なんだと思う。
お互いを好きではない、だからこそ一緒にいて落ち着く。
好きじゃないから、何しても、何を言っても、相手になんて思われようが関係ないから。
「もう、男は諦めるよ。男同士の永遠なんて都市伝説だ」
「じゃ、女に?」
「俺に女は無理」
「抱けない?」
「抱けるけど、気持ちがないのに付き合うのは嫌だ」
「俺にする?」
「本命がいる奴と付き合うのはもっと嫌だ」
「そっか。んじゃ、やっぱり入江の事待ってるんだ?」
智也の名前を出されてビクッと反応した。
それに気付いた中山が可笑しそうに笑い出して、内心腹たつけど、今も、まだ智也が好きな自分にもっと腹が立つ。
「俺がアリアンと出会ってなかったら、堀川の事好きになってたと思う」
「そう?俺はどうだろう…智也より先にお前に会ってたら、好きになってたと思う?」
「お前はそれでも入江を好きになってると思うよ」
「そんなにか」
そんなに俺は智也が好きなのか。
他人に解るほど、好きなのか…
「女として生まれてきたかったかも」
「おいおい、自分を捨てるのだけはやめとけ」
自分が、自分じゃなくてもいいくらい智也が好きだ。
もし、今、ここに智也が来て、俺とより戻そうなんて言われたら、俺は1秒も考えないで頷くだろう。
だから、会いたくない。
会ったら、絶対に智也の側に居たくなるから。
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