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やっぱり幼なじみは変でした。
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幼なじみは私に爆弾を落としました。もうそれは洒落にならないぐらいでした。
保育園から学校は離れた事は無いこいつの変な性癖はよく知っていたのですが、これまでだったとは。
朝こいつが下駄箱に手紙が入っていた (女の子からでした)のを見て言ったのです。
「俺、女興味無いんだよな。女より男派?」
心の中では聞くなとツッこんでいましたが、私は手に持っていた上履きを落としてしまいました。どれだけ可愛い女の子がお前に告白してもやっぱり男がいいのかと聞いてしまっていました。
それでもあいつは今日一番の素敵な笑顔で頷きやがったのでした。私の中のこいつの形がすべて音を立てて崩れ去る様な気持ちでした。
そして一つ思ったのは、やっぱりこいつは変だったということです。
何故か結婚するなら海外に行けとアドバイスしている自分がいました。自分なりにナンセンスなアドバイスです。でもあいつは嬉しそうに片手を上げて去って行きました。
昔から幼なじみのあいつは変でした。顔良し性格良し成績優秀な(端から見るとそうらしい)あいつですが、保育園時代はよくわからない難しい本を出してきていきなりエジプトの砂漠に埋もれて死ぬと言い、幼稚園時代は友達の作った泥団子を叩き割り、小学校時代にはコウモリの剥製を造り、中学生時代には私の上履きみっちりに白ご飯を詰めてくるぐらいには変でした。白ご飯だけは未だ許せません。昔からたくさんの女の子、奥様と女教師を持て囃してきたあいつは違う方向に進んで来てるんだなぁと思いました。しかもあいつを好きになる女の子はみんなクラスのアイドル並に可愛いのでした、私があいつなら何も言わずにその子と付き合います。
なんて考えていたら、先生に当てられていたのを忘れていて怒鳴られました。
私とあいつは帰宅部なので一緒に帰る事が多く、あらゆる女の子からの黄色い声、じめじめした言葉が胸に刺さります。私だって好きでこいつと帰ってるんじゃないやい、と心の中で呟きました。普通なら隣がイケメンで喜んで帰るのですが、本性を知ってしかも今日の爆弾があったのでもうテンションは急降下です。
あいつはグラウンドに指を指し言いました。
「あれ、俺が好きな子」
指先には爽やか系のサッカー男子がいました。私は漫画みたいに吹いてしまいました。
こいつはなかなか面食いでした。
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