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噂の南先輩
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公明高校1年、賀川翔(かがわ しょう)。
栗色の襟まで伸ばされた髪はサラサラで、キリッとした綺麗な眉。
奥二重の切れ長の瞳はキツ過ぎず甘すぎずとても魅惑的だった。
鼻も高くてスッと通り、唇も綺麗で弧を描いて微笑まれると無敵のスマイルになった。
学校一の美男子と有名で街を歩けば必ず芸能関係にスカウトされる。
そんな彼は今日も気怠げに登校の為、電車に乗っていた。
ラッシュ時間より少し早めの時刻に乗車しているにも関わらず人は結構多い。
賀川の周りには同じ学校の女子やら他校の女子、OLとかが多く沢山の好意的な視線だらけだった。
彼には日常茶飯事の出来事で気にする程では無いようでいつもの様に扉に少し身体を預けて窓から外を眺めていた。
そんな時、フッと目の端にある人物が映った。
南 結弦(みなみ ゆづる)、2年の弓道部の先輩だ。
どっか抜けてて頼りなくボーっとしてる。見た目も中身もいまいち冴えなくてパッとしない。これが賀川の南へ対する第一印象だった。
その印象は入学して三ヶ月経つが今でも変わらない。
しかし、賀川の印象とは裏腹に南の噂をよく耳にしていた。
男女問わずやたら人気がある。
友情、恋愛共にだ。ちなみに彼女はいないようだ。
・・・アレの何処にそんな人気が?
南を遠目に見ながら賀川は小さく首を傾げた。
どう見ても見た目は中の中。どんだけオマケしても中の上だろ。
性格がいいのか?それとも運動神経?
弓道部では三年生の先輩達が俺ら一年を指導してくれたから二年の南とは全く接点なかったから性格とかはわかんねぇな・・・。
まぁ、一週間ぐらいしか部活にも顔出さなかったしほぼ誰とも接点があったって言えないけど。
まじまじと南を見ていたら視線に気付いたのか南と目が合ってしまった。
うわっ、なんか気まづい。
賀川はスッと視線を下に落とし南から目を離した。だが、少ししてまた気になり視線を戻すと何やら眉間に皺を寄せ、困り果てた表情をしてる南がいた。
不思議に思って賀川は南を観察すると、南は身体を何度か捩ったり今立っている場所を移動しようとしてるのか周りを見渡し小さく前へ進んだり後ろへ下がったりしていた。
何してんだあの人・・・?
純粋に明らかに変な行動の南を見ていたらまた南と目が再び合った。
今度は視線を逸らさずにいると南は顔を赤くしたり青くしたりしながら視線を離さず、困り果てた表情で見つめてきた。
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