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部活
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授業が終わり久々の部活へ顔を出すと煙たがれると思ったのにそんな事はなくて逆に好意的な事に驚いた。
「やっと出てきたな!今日はビシバシいくぞ」
賀川の背中をバンバンっと叩きながら三年の三橋雄二(みはし ゆうじ)が言った。
彼は弓道部の部長でいかにも熱血バカという感じだった。
「はい」
軽く頭を下げて返事を返すとよしよしと頷いて三橋は同じ三年の部員達の元へ戻っていった。
「賀川ー」
嬉しそうに賀川を呼びながら近付いて来たのはもちろん南だった。
「ちゃんと来てえらい、えらい」
「約束しましたからね。ってか、子供扱いしないでください。どうみてもあんたの方が子供っぽいんだから」
「またそんな憎まれ口をきく!俺の方が先輩だぞー。もっと敬えよなぁー・・・うわぁ!!!」
ヘラヘラ笑いながら話していた南にガバっと覆い被さるように南と同じ二年の佐々木 紘(ささき ひろ)が乱入してきた。
「そうだぞー、こんなヒョロっとしてても先輩は先輩だぞー」
笑いながら南の肩を抱き寄せる佐々木に賀川は眉間に軽く皺を寄せた。
「びっくりするだろー!普通に現れろよなぁ」
佐々木に抗議すると佐々木は生意気だーっと南のわき腹などをくすぐり始めた。
やめてくれーとケラケラ笑い転げる南に他の二年生や三年生がきて南を一緒にくすぐった。
あちこち身体を触られているのに南は気にもせずただ笑っている。
ただのおふざけで同級生や先輩達と遊んでるのは分かる。分かるが毎朝その身体を守ってる賀川にすれば面白くなかった。
「それ以上すると南先輩、死にますよ」
他の先輩達に告げると周りはそれはいかんいかんと笑いながら散っていった。
道場に大の字に寝転がりゼィゼィ息を切らせる南にしゃがんで賀川は呆れたように声をかけた。
「何、やってんですか。全く」
「助かったー。ありがとう賀川ぁー」
部活が始まる前に既に汗をかき疲れたような笑顔の南に苦笑した。
袴が少し乱れて鎖骨が露わになっていて、一瞬ドキっとして視線を外そうとしたが南のふわりと柔らかい笑みが視界に入り、賀川は吸い込まれるように南の頬を触れ、流れる手つきで首筋、鎖骨へと手を滑らせた。
「っ!!ぅ・・・、っええ!!?」
ビクッと身体を揺らしながら驚く声をだす南に賀川は我に返った。
「あっ!すみません」
自分の行動に賀川自身も驚いた。
顔色一つ変えない賀川とは間逆に、南は赤くなりながら起き上がる。
いつものようにヘラりと笑いながら袴を整えた。
「何、セクハラしてんだよ。びっくりするだろー」
「いや、本当すみませんでした」
賀川はもう一度謝って立ち上がり一年生が集まるところへ、戻っていった。
本当にびっくりした。
何してんだ俺。
ポーカーフェイスを決め込んではいるが内心自分の行動に 大混乱を起こしていた。
相手は男だぞ?
いやいや、その前に公共の場で何する気だった?
いや、待て待て、、、俺・・・一体何した?
南へ触れた右手を賀川は見つめた。
凄い自然に触れてしまった。
実は触れたかったのか?
毎朝守ってはきたがあの人に触れた事は一度もなかった。
触れようとも思わなかった。
賀川は小さく深呼吸をして二年生の輪の中に戻った南を見た。
南はまた皆にいじられている。
ギャアギャア騒ぎながらあちこち触られまくっていた。
他の誰かに触れられてるあの人を見るとイライラする。
でも、それはあまりに無防備だから・・・?
いやいや、友達相手に無防備なのは当たり前?しかもただのくすぐり攻撃だし、それに比べて俺のはただのセクハラだった。
あの触り方は誰が見てもセクハラだ。
俺もそう思う。でも、記憶にない。吸い込まれるようで意識なくあの人に触れていた。
ジッと見ていたらその視線に南が気付いたのか首を傾げてヒラヒラ手を振ってきた。
賀川は小さく頭を下げて南に背を向けた。
額にかかる前髪を掻き上げながら自分の予想する胸のときめきに、大きな溜息を吐く。
「・・・相手は男だぞ、マジか俺?」
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