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第3部、突然の訪問者。
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ーーー第3部、突然の訪問者
何もない、普段通りの夜。
この部屋の主人である安土兎代(あづち うしろ)は、付き人である伊月楓(いづき かえで)の夕食を待ちながら、1人テレビを見ていた。
プルルルル、プルルルル…
すると突然、彼らの家に置いてある電話が鳴り始める。
「若様ーー。」
キッチンの奥で伊月は兎代に電話に出るよう促した。
「あーー、はいはい。俺が出るよ。
……チッ、誰だよこんな夜に。」
ブツブツと文句を言いながら、兎代は家に置いてある受話器を手に取った。
「もしもし?」
普段よりキチンとした声で出る。
こんな彼でも、
知らない相手には礼儀正しくなる。
そして聞こえてきたのは、甲高い女の声。
『あ、もしもしー?夜遅くに失礼いたします。
私、KGNネットワークの者ですが。貴方が今使われている回線を大幅に……
ーーーーブチッ!!
それを聞いて、
兎代はすぐさま受話器を電話に戻した。
(なんだ。ただのセールスかよ…。)
プルルルル、プルルルル
ーーーそして再び電話が鳴る。
「………………。」
兎代は半目で数秒電話を見つめると、しょうがないと言った風に受話器を手に取った。
(もしかしたら、ちゃんとした相手かもしんねぇし…。)
「…はい。」
すると聞こえてきたのは、若そうな男の声。
『あ!もしもし!俺だよ俺!!分かる!?』
「分かりません!!」
ガチャンッッ!!
兎代は強めに受話器を元に戻した。
今度はオレオレ詐欺かよ……。
(しかもそれって今時古いだろ……。)
もっとまともに作戦立ててから来いよ、詐欺師………。
「ったく…、何なんだよ今日は……。」
プルルルル、プルルルル……
「………………。」
ーーーそして再び、電話が鳴る。
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