アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
さん。
-
*
「な、なんだよ……急に改まって……。」
いきなり雰囲気を変えた父親に、兎代は戸惑った。
龍彦は口元に人差し指を当てる。
「そしてこの事は、周りに口外しちゃいけないよ。
お前が心から信頼できる関係者、それと僕がいいと言った人しか話しちゃ駄目だ。……約束できるね?」
突然の話に訳が分からなくなった兎代は、思わず頷いてしまった。
それを了承と受け取ったのか、龍彦は口を開き、ある1つの問いを兎代に投げかける。
「兎代。お前はこの安土家が、今も財閥として存続できているのか"その理由"を考えた事はあるかい?」
その問いに、彼はなにも躊躇せず答えた。
「そりゃ、父さんや先代の人達が頑張ってきたからだろ。」
小さい頃、
兎代はこの家の歴史について学んだことがある。
それは決して深いものではなかったが、
自分の先祖が懸命に守り続けたものだということは分かっていた。
ーーー家の地下にあった大きな家系図。
その家系図を思い浮かべた瞬間、
兎代は何かを思い出したように声を漏らした。
「そういえば、俺の名前にある"兎"って母さんから受け継いだものだったんだな。」
「!!」
その言葉に、龍彦は大きく目を見開いた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
70 / 148