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にじゅう。
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*
兎代達は寧々の言う通りに人を集め、写真を撮って伊月のスマホに送った。
そのまま寧々は多くの生徒に質問攻めにあっている。
「ねぇねぇ、掛川さんはどこから来たのー?」
「出身地は?」
「今彼氏とかいないのー?」
「えっと……、その……。」
寧々がその回答に困っていると、突然廊下の扉が開いた。
そこには春馬が立っていて、急いで人だがりの方へと足を運ぶ。
そして寧々を庇うように前に立ち塞がった。
「大丈夫ですか?」
「春真……。」
寧々が顔を上げ、春馬の顔を見つめる。
キーーンコーーンカーーンコーーン。
その瞬間、学校のチャイムが鳴り響いた。
ガラッ
前の方の扉から1限目を担当する先生がやってきて、まだ席に着いてない生徒に声を掛ける。
「もうすぐ授業を始めるぞー。立っている奴は全員席につけー。」
その言葉で寧々の側にいた生徒は全員、名残惜しそうに席に着いた。
「あ、春真………ありがーーーー
遠慮がちに寧々が春馬にお礼を言おうとすれば、彼女は寧々に背を向け席へと戻っていく。
自分のすべき仕事は終え戻っていくその姿は、明らかに他人行儀。
「……………。」
その様子を兎代はしっかりと後ろから見ていた。
寧々は傷ついた顔をして下を向く。
「っ、」
しかし彼女は勢いよく顔を横に振った。
パチン!と強く頬を叩いて自分を叱咤する。
「いやいや、落ち込んじゃダメ!これから頑張るんだもの!」
よしっ!と意気込みながら席に座る寧々。
それを見て、
兎代も真剣な表情になり顔を引き締めた。
「おい。」
声を掛けられ、寧々は兎代の方に振り向く。
「次から作戦に移すぞ。
なんとしても、アイツの気をお前に向けさせる。」
「!!」
その言葉に、寧々は気合いの入った顔になりコクリと頷いた。
「……うんっ!」
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