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ーーーside???
港近くにあるコンテナ置き場。
静かな夜に、聞こえるのは波の音だけ。
そこには廃工場となった建物がいくつか存在した。
その中の1つに、一際目立つ建物の存在がある。
錆びきった機械と廃材のゴミを掻き分け、その奥をずっと進んでいくと、そこには広場となった空間が現れる。
その古い空間で屯していたのは、
およそ100近くの人間と50匹くらい獰猛な犬達だった。
中心には拘束された十数人の男達が座っており、周りの様子にひどく怯えていた。
「お前ら、失敗したんだってなァ……。」
牙だらけの歯で、長身の男が呟く。
男達は恐怖で顔が上げられずに、ビクビクと身体を震わせていた。
長身の男は、隣にいた獰猛な犬をスルリと撫でる。
その手にはタトゥーが彫られており、その先にある爪は黒のネイルが施されていた。
「しかも俺の可愛い子供達に怪我までさせてェ……、どうしてくれるんだよ、おい。」
震えている主格の男は、ガチガチと口を震わせながら事情を説明する。
「す……すみません……っ……。
途中までは成功していたのですが……突然思わぬ客が入ってきて……っ!!」
「ほぉ……。そりゃ言い訳かァ……?」
「違います!!実はあの場所に、何故か伊月楓が現れたんです……!!」
「伊月楓?」
「は、はい!!しかもネズミの口から"兎代"という言葉が出てきました!!」
「………兎代………。
ハハッ、なるほどなァ……。」
長身の男は鋭い指で自らの顎を撫でながら笑った。
「……ソイツはきっと、最近判明したウサギの名前だ。ネズミの奴、同類と結託したか…?」
「そりゃァ、都合がいい……。」長身の男がそう呟くと、刃物のように鋭い風が吹き抜ける。
「……え。」
パシィンッッ!!
ーーーとても一瞬だった。
主格の男が見えない何かによって、遠くへ吹っ飛ぶ。
その男が地面に崩れ落ちると、そこから大量の赤が広がっていった。
男は喉奥を鳴らし笑いながら、楽しそうに喋る。
「話の内容は大体わかった。
……あとは、この使えない糞野郎どもを消すだけだなァ……。」
「ひっ……、」
中心にいた男達はそれを聞いて、顔を青くしながら身体を戦慄させる。
周りからは猛獣の唸り声が聞こえてきた。
だんだんその声は大きくなっていく。
その状況から逃れるために、男達の1人が必死に声を上げて許しを請いた。
「まっ、待ってください……!もう一度、俺たちにチャンスをーーーー!!
"やれ。"
長身の男が命令すると、周りの集団は一斉に手綱を手放した。
「ひっーーーーーー!!」
寝静まる深夜の港に、
男達の残虐な悲鳴が響き割った。
ボロついた床の中心に、赤い水たまりが広がる。
そしてその中心に、長くて黒い影が差し込んだ。
頬についた赤い飛沫を、
長身の男は指にとって舐める。
その直後、男はぺッと勢いよく地面に吐き出した。
「オェッ……クソまず……。やっぱ薄汚ぇ豚の血は美味くねェ……。」
男は無意識に手を鋭く曲げ、
バキバキと関節を鳴らす。
「そろそろ、質の良い上級な肉を頂かないとなァ…?」
男の口内にある鋭い牙が、ギラリと光らせる。
男は待ち望む日を想像して、笑いが止まらない。
その男の背後を、
怪しい格好をした連中と獣が囲い込んだ。
真っ暗な暗闇に、男の甘くて不気味な声が響く。
「待っててねェ……、ウサギちゃんとネズミちゃん……。
もうすぐ俺達が、お前らを喰らいに行くからよォ……。」
ーーーside??? END.
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