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じゅうご。
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「こちら伊月です。
無事、若様を救出いたしました。
……はい。誘拐犯の身柄はこちらで拘束しておきますので、至急回収をお願いいたします。…では」
ピッと電話を切り、伊月は痛みで気絶した誘拐犯達を縄で拘束する。
「…………。」
それが終わった後、伊月は俺の元へ歩み寄った。
「若様。」
名前を呼ばれ、差し伸べられる手の平。
「だいぶ日が暮れて参りました。
お身体に障ります。はやく家に帰りましょう」
ニッコリと微笑む伊月。
それを見るとなんだか…少しむず痒い気持ちになる
「………ん。」
そして俺は、渋りながらもその手を握り返した。
ーーーー夕陽で染まる、オレンジ色の空の下。
誰もいない道の中、伊月は俺をおんぶして歩く。
「……なぁ、伊月。」
「はーい」
「……お前怒ってる?」
「そうですねぇ…。
少し、怒ってますよ。」
「………ごめん……。」
俺が小声で謝ると、彼は微かに笑う。
「もういいですよ。無事に若様が帰ってきましたし。
……それに、今日は珍しく素直な若様を見れたので、俺はそれで十分です。」
「素直な若様は可愛いですからねぇ〜?」そう言ってニヤリと意地悪そうに笑う伊月に、俺は顔を熱くさせた。
あぁ、俺…きっと顔が真っ赤になってる。
「……可愛くねぇよ、アホ……。」
でも、それがバレたくなくて俺は伊月の肩に顔をうずめた。
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