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じゅうさん。
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*
それから、星野と俺の付き人生活が始まった。
「……ていうか、お前も制服で俺を護衛するんだな。」
「はい……。お恥ずかしい限りですが、この格好をしないと学校に潜入できないので…。」
「いや、似合ってるぞ。」
顔を赤くさせながら、恥ずかしがる星野だが、顔がイケメンだから全然似合ってる。
それに21歳だし、まだ学生いけるだろ。
「よし!じゃあ行くか!学校!」
「は、はいっ!」
伊月と違って、彼は俺をちゃんと護衛してくれた。
電車に乗る時は、ふざけず俺を端っこに移動させて俺を痴漢から守ってくれるし。
学校にいる時は生徒のフリをして、俺と近すぎず遠すぎない距離で見守ってくれる。
ご飯だってめっちゃ美味いし、洗濯も掃除も綺麗にやってくれるんだ。
(どうしよう、すげぇ良い。)
伊月とは違う居やすさ。それには彼にあった。
でもやっぱり、俺は伊月のことが頭にチラついてしまう。
(いや!いやいや、駄目だろ!
何で俺は伊月のことばっか考えてるんだ!)
ブンブンと頭を振って、彼の存在を消す。
(…そうだ。アイツは俺より、父さんを優先する。
俺より父さんが大事なんだ……。)
チクリと、胸に棘が刺さる。
「兎代様?どうかなさいましたか?」
「あ、いや…何でもない。
それより、お前の飯は美味いな!やっぱ星野は料理の天才だわっ」
「いえいえ、天才だなんてそんな大袈裟なっ…!
でも、そう言っていただけてとても嬉しいです。ありがとうございます。」
ニコッと笑う星野の笑顔に、俺も何だかほっこりする。
(うん、やっぱりコイツ良い奴。)
"星野となら俺、上手くやっていけそうな気がする"
ーーーそれから数日後。
星野との生活が慣れ始めた頃、伊月が帰ってくるという連絡が入った。
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