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じゅうよん。
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*
伊月が、帰ってくる…。
「良かったですね、兎代様っ!これで元通りの生活に戻れますよ」
嬉しそうに話す星野だが、俺はあんまり嬉しくなかった。
「ふーーん。
伊月帰ってくるんだぁーー。へぇーーー。」
ーーーというより、不貞腐れていた。
「ど、どうしたんですか。兎代様…あまり嬉しくなさそうですけど……。」
「どうせ、父さんの命令が下りたから戻ってくるんだろーー。俺なんて所詮、伊月にとってはちっぽけなモンなんだし。」
「いやいや!そんな事ありませんよ!」
「それにもう俺、星野を付き人にしてもいいと思ってるんだよね。」
「えぇっ!?」
「アイツ、俺の事どーでもいいみたいだし。」
「っ!!!」
急に星野の顔色が真っ青になる。
「伊月なんかいなくても、星野が居てくれれば俺はいいかなぁーなんて…。」
「あ、あのっ…兎代様……?」
星野が大量の汗を流しながら、目線を後ろに持っていく。
「俺、星野が付き人になってくれるよう、父さんにお願いしてみようかなぁーー。」
「……それはどうゆうことだ、兎代。」
ヒヤリとした冷たい声に、思わず肩がビクリと震える。
「なっ!?い、伊月!?」
思わず声が裏返る。
後ろを振り向けば、黒いオーラを全開にしている伊月の姿があって、
鋭く光る目と低い声は、本性である楓の部分が丸出しだ。
「な、何だよっ!気配消して中に入ってくんじゃねーよっ!」
「………俺の質問に答えろ。
お前、星野を付き人にするってどうゆう要件だ?あぁ?」
「い、いいだろ別に!
お前だって、父さんの所に帰りたいだろ!だから俺が父さんにお願いして、星野とお前を取り替えてもらうつもりなんだ!
てか近寄るなよっ!」
俺の元に歩み寄ってくる楓に、俺は後ずさる。
星野はそんな俺たちを見てアワアワと慌てているだけ。
「……へぇ。星野と俺が入れ替え…ね。
お前、俺と星野が同格だと思ってんの?」
「え…?」
バンッッッ!!!!
一瞬、何が起こっているのかよく分からなかった。
気づけば星野が床に倒れていて、楓がそんな彼の腕を持ちながら立ち尽くしている。
星野は気を失っていて、動かない。
「……俺がコイツをお前のそばに置こうと思ったのは、"代役"として条件が揃っていたから。
それ以上でもそれ以下でも無い」
彼を投げ出した手を離し、楓は俺の側に寄ってくる。
「……それにもし俺と同等の力を持つ奴が現れたら、星野は一瞬で殺されている。」
「や、やだっ……!こっち来んなよ!来んなよっ!
……あっ!」
グイッと手を思いっきり引っ張られ、腰をを引き寄せられる。
「……お仕置きだ、兎代。
二度とそんな口を叩けないように
俺みたいな奴に襲われたらどうなるか……。教えてやるよ。」
「なっ……!?」
そう言って、楓は俺の唇を塞いだ。
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