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じゅうなな。
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*
本家に帰って数日、
俺は伊月の顔をあわせる事が無かった。
アイツも本家に帰って来ているというけど、一度も鉢合わせたことはない。
ーーーむしろ会わなくていい。
(……だって、俺はまだアイツのことを許してないから。)
彼の心が分からない。
父さんの側にいたいなら、素直に俺から離れればいいのに、離れてくれないし。
むしろ怒って俺にお仕置きなんてしてきた。
(それにあんな…あんなコトを俺にさせるなんて…!)
数日前のことを思い出して顔が火がついたように熱くなる。
あの時はすごく怖くて悲しかったけど、今思い出すと恥ずかしさの方が上だ。
「むぁぁぁぁっ!わっけわかん!」
ゴロゴロとベッドのうえを左右に転がる。
コンコン…
「兎代様。」
「んあ"っ!?」
やべ、変な声出ちまった。
「滝沢でございます。失礼ですが、中に入ってもよろしいでしょうか?」
「お、おう…滝沢か。いいよ。」
その言葉を合図に、執事が部屋の中に入ってきた。
彼の名前は滝沢。
昔からこの家を支えてくれている、優しくて上品なおじいちゃんだ。
「失礼いたします。
兎代様、旦那様がお呼びでございます。至急書斎室へお越しください。」
ドクンッ、と嫌に心臓が高鳴る。
父さんが?一体何の用だろう。
"もしかして、伊月を返せとでも言うのだろうか。"
「……わかった。すぐに行くから、父さんに待ってろって言っておいて。」
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