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君との距離
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「や…っ」
「あ…ごめん。やっぱ、嫌だったよね?…シャワー浴びておいで」
拒んだことで、悠の顔は悲痛の色を浮かべていた。
でも、いっぱいいっぱいだった卓斗はそれに気づいても、言葉すら出てこない。
結局、卓斗は悠に言われるまま、浴室へと姿を消した。
夜、卓斗はベッドの上で寝息を立てる。
同じく、その隣で眠る悠は、卓斗を包み込むように抱き締めていた。
時計の針が五時を越えたところで卓斗は目を覚ました。
「ん~……悠さん!?」
なぜか隣で寝ている悠に驚いたが、ゆっくりと頭の中に昨夜のことがフラッシュバックする。
(そうだ。ここは悠さんの部屋だっけ。僕、昨日ここで…)
思い出した途端、一気に羞恥心と罪悪感が押し寄せてきた。
付き合ってもいない男とセックスしそうになり、悠にも『ゆーにい』にも申し訳ない気持ちになる。
まだ寝息を立てる悠にどんな顔をすればいいのかわからず、彼が起きないうちに黙って家を出て、仕事に向かった。
悠と肌を合わせてから数日の時が過ぎ去っていた。
あれから、卓斗は一度も悠に会っていない。
今日は例のアニメのアフレコがあった。
当然、悠にも会うことになる。
一体、どんな顔をして会えばいいか、卓斗はまだわからなかった。
「おはようございます…」
悠が来ているかもしれない、と思いながら、卓斗はスタジオに入る。
まだ来ていないことを祈るものの、既に悠は中に居た。
幸か不幸か、他には誰も居ない。
卓斗の体からじわっと熱が吹き出した。
緊張で手が震えてしまう。
「卓斗くん、おはよう」
「ぁ…おはよう、ございます。…悠さん、あの…この間は…その…」
なんて言ったらいいのか分からずに躊躇っていると、悠の方から近づいてきた。
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