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君との距離
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「この間はごめん。卓斗くんの優しさに漬け込んで酷い事をした」
「そんな……」
「もう二度としない。だから、全部忘れていいから」
「全、部?」
「俺が卓斗くんを好きだって言った事」
「え……?」
「もう諦めるって決めたから」
卓斗にしてみれば初めて会った──それも男に告白された上、抱かれそうになったのだ。
拒まれたのは当然だと思うし、悠はもう彼に触れる資格さえないと思った。
そんな悠の言葉に、卓斗はどうして自分を好きになったのか、とか、ゆーにいと悠は本当に何も関係がないのか、とか、聞きたい事は山ほどあったが、ただただ頷く事しか出来なかった。
それから普段通りに仕事をこなし、悠ともどこかぎこちなくはあったが、ただの共演者として会話を交わす。
あの日、どうしようもない恐怖感から悠を拒んでしまったが、彼に触れられても嫌悪感などはまるでなかった。
本当はそれを伝えないと、と思っていたが、もう今更何も言えるわけがなかった。
彼が好きなのか、と聞かれれば、それはまだわからない。
ただ、悠に対して少なからず好意を持っているのは感じていた。
だからこそ今のこのギクシャクしたような関係が悲しくて仕方なかった。
しかし、そんな卓斗の想いとは裏腹に、結局お互いに必要最低限の会話しか交わさないまま、最終回のアフレコを迎えてしまった。
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