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君に出会う
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そんな卓斗とは裏腹に、悠は分かっていた、というように小さな笑みをこぼす。
「君の気持ちも分からなくはないよ。いきなりゲイだと告げられて、その上、自分が好きだなんて言われたら、普通は驚くよね。…ただ、俺が勝手に言いたかっただけだから」
そう言いながら、悠の心には過去の記憶が甦っていた。
(…もう、忘れただろうな)
そう思いながら、吐き捨てるように一つ息を吐いた。
言い終えた悠の顔は辛そうに歪んでいて、そんな彼を見た卓斗の中に、なぜだか彼を放っておけない、という気持ちが沸き上がってくる。
でも、それがどういう想いからなのか、それは卓斗自身にもわからなかった。
「あのっ! 僕…好きとか…そういうのは、よくわからないけど…今の桂木さん、辛そうに見えます。僕なんかがこんなこと言ったら逆に失礼かもしれませんが…なんていうか、放っておけないって…そう、感じます」
「剣咲、君…?」
嫌われるか、気持ち悪がられると思っていたのに、予想外のその言葉に悠は驚きを隠せなかった。
そんな悠とは裏腹に、卓斗の瞳はまっすぐ彼に向けられる。
「今の桂木さんみたいな顔…昔も見たことあるような気がするんです」
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