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君との距離
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よく考えれば、卓斗の知ってるゆーにいの名前も『ゆう』で、偶然とはいえ、悠と同じ名前。
でも、卓斗の事を『タク』と呼ぶのはゆうだけだった。
(もしかして…桂木さんがゆーにい?…いや、でも…桂木さんがゆーにいなら今は二十八歳のはず…。桂木さんってそんな歳だっけ?)
卓斗の中に浮かんでくる疑問。
考えても答えなんて出てこない。
卓斗は意を決して、悠に訊くことにした。
「あの…桂木さん…」
「ん?」
話を聞こうと、抱き締められていた体がそっと離される。
「…変な事を訊きますけど…桂木さんって何歳なんですか?」
「二十五だけど…それがどうかした?」
突然の質問に悠は訳が分からないといった表情を浮かべる。
「いえ、何でもないです! ただ、ちょっと気になっただけです」
さすがに「ゆーにいですか?」と訊けるわけもなく、軽く誤魔化してみた。
(やっぱり別人か…。そうだよね。桂木さんは桂木さんだもん!…それに、僕がゆーにいを見間違えるわけない! きっといつか帰ってくるんだ!)
あの日…ゆうの部屋に行った翌日、ゆうは姿を消していた。
行為のあとに眠ってしまった卓斗は、彼の部屋ではなく、自分の部屋で目覚めたのだ。
おかしいと思い、ゆうの家に行った時にはもう、ゆうの姿はなかった。
「卓斗くん」
「え…?」
いきなり呼ばれた名前に、卓斗はハッとする。
「これから、卓斗くんって…呼んでいいかな?」
「あ…はい!」
少し照れ臭そうな悠の顔に、卓斗は胸が高なるのを感じていた。
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