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意気地無しⅢ
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メールの返信はまだ返せずにいる。
本格的に夏休みを迎えて2日が経った。
部活入ってたら違ったんかな?
なんて突拍子もない事を考える。
訳もなく多い課題に手を付けられずにぐうたらして、1日を無駄にする。
あの答えすら見つからない--。
巡が言うなら、答えてやりたいとは思う。
でも、何を知りたい?
俺の秘密なんて、あんのか?
馬鹿だと言われて、感情全て表出てると言われ続けてる俺に秘密…。
その事を悩んでいる事だろうか?
全く勉強出来ない事とか?
友達…いても本音を言える奴はいない。
これか⁉
ベッドに放り出された携帯を掴んでメールボックスを開く。
溜まりに溜まった下書きを消して、来たメールを読み返す。
何度読んでも、何度見ても文は変わらない。
違和感すらも取れはしない。
返信ボタンを押す。
制作画面に移り、青い棒線が点滅する。
俺の秘密
周りにあれだけ友達い|
俺の秘密
周りにあれ|
打っては消してを繰り返す。
これを話して言いふらされたら…
そんな奴には思えなくても、何処か不安が過ってしまう。
こんな時に限って勇気が出ない。
情けなくて、泣きそうになる。
男なのに、見た目とのギャップ激しすぎだろ…
友達超える付き合いしたい
とか一丁前に言っときながら、その線の前にすら立てないなんて、友達になる事すら失格だろ。
段々落ち込んで行く気持ちに上重ねするように、これ以上巡は待ってくれない気もする感情を流し入れ、自らを苦しめながらも指は一向に同じ事を繰り返してた。
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