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変化ない日常Ⅱ
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夏休み明けのテストに頭が湧いて机に項垂れる。
いくら課題してたからって、適当にしたんだ、良い点数なんて取れる自信なんかない。
机が冷たくて気持ちぃ…//
冷たい机と触れた額から熱くなった頭を冷やしていく。
わらわらと集まった友達が俺の頭上でテストの出来栄えを話し合う。
無理だった、わかるか!、簡単だった
人それぞれの言葉が飛び交い、会話に放っていかれる俺は遂に頭を上げた。
「人の頭上で話すな」
「あはは、悪りぃな!」
笑って謝る凪の脛を軽く蹴る。
今度はちゃんと俺にも話を振ってくれた。
テストの日は決まって昼まで。
HRを終えると速攻俺の元へ来た凪は
「昼飯どっかで食ってかね?」
と誘った。
徐々に集まった友達が俺もー、私も、と乗ってくる。
何の連絡もつかなくなってしまった巡の事を気に掛けながらも、誘いに乗った。
「凪の奢りな!」
「げっ」
「げってなんだよっ!」
「って!、へーい、奢りますよ〜」
俺の叩いた腰を抑えながら、何を食おうかと話し合いながら先を歩く。
教室を出る前に一度振り返る。
やんわり吹く風にふわりと髪が揺れる。
こっち向けと願ってみる。
虚しい程に叶わない。
いつもと変わらぬ巡の姿を、チラ見して教室を後にした。
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