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青黒い蟠りⅥ
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HRが終わると同時に机の横に引っかかる鞄を強引に掴み、走って教室を後にする。
凪や友達に大声で名前を呼ばれても気にせず走る。
あ、そっか。
俺も言われんのかな…?サボりって。
学校をだいぶ離れた時にふと思い出して、軽く落ち込む。
当日まで残り3日となった文化祭準備で忙しい毎日。
俺すらまともに仕事しないとなると…。
あの後、俺は凪に勝手に作る係に決められていた。
練習も兼ねて家庭科室で味の研究をして、作る係総員で小さなパーティ状態を繰り返している。
人数が多い分、焼き具合で意見が割れて。
表面カリっと中トロリ
表面カリッと中もっちり
全てもっちり、全て固めに
それは飲食を催す学年全てに起こっており、家庭科室は大戦争と食べ物パーティが繰り広げられていた。
作り手は皆自分の催す食べ物に飽きを覚え、仲良く交換して、採点付きをある意味楽しんでいた。
結局他学年に評判良かった、表面カリッと中トロリになったんだっけ。
タイミングは覚えたし、今更やる事もないだろ。
開き直って、道に迷ったことに気付く。
初めての町を歩き回る。
この辺なんだけど…
表札を見ながら一軒一軒確認する。
赤峰…赤峰…赤み……あ!
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