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青黒い蟠りⅦ
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「ごめんなさいね、根はいい子なんだけど…」
と出てくるなり謝る女性は、どうやら巡の母親らしい。
巡は「痛ぇよ、お母さん!」と怒鳴りながら母親に放って、一緒に出て来た。
プリントの入った白い封筒を門越しに母親に渡す。
お礼を告げると巡を置いて先に家に戻った。
戸惑う巡
やっぱり顔色が良くない。
目の下に隈が出来てて、瞼がだいぶ落ちている。
早く帰してやらないとと思う気持ちと、ちゃんと眠れていないんじゃないかと言う心配の気持ちで言葉を選ぶ。
「…ごめんな」
「…………別に」
俯いた巡の躊躇い掠れ気味の声は、頼りなく弱々しくて。
手を伸ばしたいのに、門が邪魔して伸ばす事を許さない。
もどかしさに顔を歪める。
変な空気が二人を包んでいく--。
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