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文化祭準備Ⅱ
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何時間経ったのだろうか…
不恰好なたこ焼きが何皿にも及んで並ぶ。
味も出来具合も完璧なのに、形だけが追いつかない。
悔しそうな顔をして、諦めずに作り続ける。
更に増え続けるたこ焼き。
回し続ける手を眺める。
…………
違う違う。
あ!
俺の声にピクッと反応して手が止まる。
見つけた、丸くならない理由。
一言、ごめんと謝って手に手を添える。
またピクッとした。
重なる手と手の間に熱を持つ。
やっぱり…………
だぁー!違ぇって!
いい具合に焼けた薄い面に軽くピックを刺して、クルッと回す。
数分後、クルッと回してみる。
いい感じに丸くなった。
巡は何で⁉みたいな顔をして俺を見た。
巡が出来なかった理由。
「手首、一緒に回してて痛くなかったのか?」
「…痛かった」
「手首は回さなくていい。…こうやって…」
添えたままの手で感覚を掴めるように動かす。
頷きながら、何度も繰り返して。
嬉しそうに、でも他には見えないように微笑んで実践した。
やっと成功した。
それからは失敗なく作り上げた。
出来上がった大量のたこ焼きはトッピングしてデザート組に配りに行った。
____________
配り終えて戻ると、巡は凄く嬉しそうに自分の作った綺麗な丸のたこ焼きを眺めて練習していた。
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