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無力が故に闇に誘われⅥ
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日に日に足取りが重くなる。
日に日に瞼が開かなくなる。
日に日に……
……熱を出した。
39度の熱。
肌寒いじゃ済まされないレベルの寒さになったこの世界に、未だ嘗て防寒具一つ着けずに出歩く奴はいただろうか。
いる訳がない。
俺はそんな馬鹿な事をしでかした。
ベッドに縛り付けられ、何をするで無く寝ているだけ。
ゲーム、漫画は酔うからしない、見ない。
与えられる三食のお粥と薬。
謎に流されたクラシック。
頭に響くからやめてくれ
そんな願いも虚しく砕けた。
ぼけっとして、クラシックを右から左へ流す。
いつしか子守唄化したそれは睡眠欲をそそり、深い眠りに落ちた。
「柊季、凪くんとお友達来てくれたわよ」
なんて母親に起こされて。
熱が下がった感じのしない怠い身体を起こす事もできず、寝たまま部屋に通してもらった。
電気をつけられ暗闇から一気に明るくなった部屋。
目が眩んでぼやける視界に入った二つの姿。
誰だ?と目を凝らす。
正常になった目に映ったのは、母親の配慮かマスクをしている二人。
髪型と目で何とか渚はわかる。
問題はその後ろにいるもう一人。
…
……
………
…………め、ぐる?
「赤峰?ッ…!」
勢いよく起き上がったお陰で頭に激痛が走る。
渚に阿保って言われながら寝かされた。
わけがわからない。
凪と巡の接点もなければ関わりもない。
痛みの残る頭をフル回転、、させてるつもりで熱に浮かされている所為もあって動かない。
何で?
って聞くのが精一杯だった。
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