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無力が故に闇に誘われXI
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手にじんわりと汗をかく。
気持ち悪くてパジャマ代りのスエットズボンで汗を拭う。
と言うよりは布に手を擦り付けて、拭き取った。
取説は人間には無いだろ?
機械とか、おもちゃとかに付いてる物で…。
何で巡についてんの?
アンドロイドとか⁉
いやいや、ありえるわけがない。
震えたり、怯えてたのは人間そのもの。
続きは読む気にならない。
こんな物で知りたく無い。
人間は一緒に行動して、恥すら話して、そして知っていく。
だから話題が尽きないし、知れた時の感動は誰かから聞かされるよりも嬉しくてたまらない。
例えそれらが嘘でも偽りでも、その人と話す事に意味があり大切であって、話もせずにノート一冊渡されて会話終了なんて、相手の事を知った気になっただけの仮面被りだ。
悲しくなった。
こんな物に縛られて、友達を作る時の大切な事を忘れてしまった巡に。
俺の事に興味が無いと言われているみたいな押し付けノートに。
閉ざされたノートをスクール鞄の中の教科書との隙間に挟んで入れた。
忘れよう
夢だったんだ。
忘れよう
あんな物存在しないんだ。
すり替えよう
巡はただお見舞いに来てくれただけだ。
“破棄”の二文字を忘れたように
自分で自分の脳を嘘偽りで洗脳していった。
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