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無力が故に闇に誘われXII
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「久しぶりに見たわぁー!」
教室に入るなり叫んだ友達。
その周りにいた奴も確かにと納得しながら笑っていた。
長引く頭痛と微熱に結局2週間休んだ。
机の引き出しには2週間分のプリントが詰め込まれていて、間間にノートが挟まれていた。
ペラペラと見えてるか見えてないかのスピードでプリントを捲る。
ごっちゃに混ざった教科ごとのプリントに、その時の板書されたノート。
誰の物かわからない匿名ノートは遅れを取った俺にはありがたかったけど、返すのには迷惑でしかなかった。
取り敢えず、プリントを教科ごとに分けてファイルにしまう。
一気に膨れた上がったファイルは、お腹いっぱいと訴えるようにプリントを少しだけ押し出していた。
「おっはよー!って来てる!」
嫌味なのか喜んでるのか、どちらとも取れる言い回しで煩く教室に入って来たのは凪だった。
凪は鞄を自分の机に投げ捨て、俺の周りを囲んでる友達の間を割って来た。
「うるせぇの来た」
「何を…ってかさ!あー、、かみね?とどうなったん⁉」
やっぱりうるせぇよ。今それ聞くなよ。
「どーもこーもねぇよ」
嘘、あった。
現にノートがまだ鞄の中に…。
つまんねぇのって口尖らせて、ブツブツ言ってたからまぁいっかって水に流す。
友達は何の話?と凪に尋ねてるし、俺には話が振られてこない以上は忘れた事にしようと決めた。
もしそれが張本人だとしたら…。
俺はどうしていいか戸惑うんだと思う--。
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