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無力が故に闇に誘われXIII
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その日は何事も無く無事に終わった。
と
なれば良かったのになぁ…
「読んで来た…?」
モジモジしながら上目遣いでこれだもんなぁ…。
何の心境の変化があったんだと聞きたくてたまらない。
しかし、その言葉は喉の奥でつかえてしまった。
代わりに出たのは
「1頁だけ。それ以上は頭痛くなった」
嘘の多い実話。
そんな言葉に「そう」と返して来た。
困ったのは俺だ。
意味するノートは今肩にかかる鞄の中に入っている。
質問禁止的な事書かれてたっけ…と思うと他の言葉が見つからない。
ここで読めとか言われたら?
巡の望まない返事をしてしまったら?
巡を傷付けたい訳じゃない。
巡と単純に、純粋に友達になりたいと思うだけ。
そう言や…
「何でノートなんか渡したんだ…?」
「悪いかよ…」
怒り半分、照れ半分の言葉が耳に届いて、遅いのに慌てて口に手を当てた。
それ等を意味するのは、俺の声が出てたって事。
「え、やっ!悪くねぇ!!けど…」
「けど?」
けど…
何が目的で、何が伝えたいのか、幾ら書いててるだろと言われても俺には理解が難しい。
何て言える訳ない--。
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