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希望の光が満ち溢れⅡ
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「赤峰って意外と面白いな」
「名前…」
「え、嗚呼……巡な」
あの頃戸惑い赤峰と呼んでいた巡の事を、やっと巡呼びに出来た喜びから、巡と何度も呼び掛ける。
本人は視線を斜め下に逸らし、耳まで真っ赤にして下唇を噛んでいた。
そんな顔すら可愛く見えて、無防備に俺に向ける左頬にそっと手を添えた。
ビクッと反応して肩を上げる。
ゆっくり俺の方を向いた巡の顔は怯えたような驚いたような何とも言えない表情をしていた。
ヤバイなと感じてごめん、と手を離す。
パクパク口を動かして数秒後。逃げるように帰る!といつもより声を張って出て行った。
……
…………
「…何あれ。くっそ可愛いし」
ふぅ、と息を吐いて、ベッドの上に置きっぱにしていたノートを取ってペラペラと捲る。
一番最後の頁に注意書きと書いてある。
さっきも読んだけど、また読み返す。
_______________
注意書き
●過去には触れないで下さい
●このノートに背く事はしないで下さい
●冗談でも捨てるような真似しないで下さい。
●拒否権ないとか思わないで下さい。ちゃんとあります。ちゃんと言って下さい。
からかったりしないで
_______________
からかったりしないで
一番下に小さく遠慮がちに書かれていた。
何度も書いて消したのか黒ずんでて、迷いが伺える。
過去を知れれば苦しめるものを取り覗けるのに、巡はそれを望まないから探るしかない。
その探りすら恐怖にしてしまうかもしれないのに…。
怯える事を避けたくても、無理なのかもしれない。
もしも怯えさせてしまったら…
他人は口を揃えて言うんだろう。
怯えを取り除くように接してあげればいい
と。それがどれ程難しく困難な事か知らないくせに。
って言ってる俺も最近までは前者と同じ考えだった。
巡と関わるまで。
俺の試行錯誤が始まった--。
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