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希望の光が満ち溢れⅢ
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「はよっ、巡!」
玄関を開けて驚いた顔を向けた。その目は何でいるんだとでも訴える目。
でも、その表情に嫌そうな影はない。
小走りして門を開けて外に出て来た。
「…おはよ……服部いっ、ぶき…」
「ぶはっ!フルネームとかやめろ!」
名前一つに躊躇い、恥ずかしそうに呼ぶからあまりに可笑しすぎて笑いが止まらない。
笑いすぎて涙でた
あ、巡拗ねた。
むすっとしたまま先を歩き始める。
俺は追うように歩き出す。
「なぁ、メアド変えた?送っても届かないってメールしか返ってこねぇから教えて」
巡は足を止めて俺の顔を見た。
目を見開いて、目を泳がせる。
何?その反応…
「か、えた。悪い」
そう言って携帯を取り出すと、自分のプロフィールを見せてきた。
携帯を受け取って、前に貰ったメールアドレスを消して、新しく打ち直す。
こっそりと電話番号も打ち込む。が、悪い気がして確認を取った。
了承を得たため登録。スッとした。
「サンキュー!やっと連絡出来んだなぁ…感動」
「意味わかんねぇ」
「わかれよぉ〜、、あっ、明日からはもうちょっと早く迎えに来んな!」
「お前テンション高い…」
素っ気ない態度に戻ったけど、前とは違う素っ気なさ。
明らかに嬉しそうな顔してるし。
自分だけが知る巡が増えていくのが嬉しい。
教室に入る。
校門を潜った所からは学校編なんだっけか。と思い出して、下駄箱でこっそりとあのノートを見返した。
学校編は動けないと昼飯、移動。
疑問はその時に聞く。
教室までは一緒でもいいのかと。案外あっさりおっけいの許可が降りたから話しながら来た。
俺一人で話してまるで落語だったが…。
「おっすー、柊季ぃー!取り巻きもはよ〜」
「うっすー」
「取り巻き言うな!」
俺の元に集まって話す女友達2人に男友達3人に今来た凪。
巡と話したいと思っても動けずに、申し訳ないが、仕方なく凪の言葉を借りると取り巻きと話す。
ってか、ここにいる奴等って何時も話が噛み合わないかバラバラな話してる。飛び交う言葉を変に組み合わせて話した事も多々あって…。
要は寄って話す必要ないだろって思ってる。
あー…巡と話してぇなぁ…
「で、柊季はどうするの?」
「んー…行かねぇ」
「え?」
またやらかした。今回は聞いてなかっただけだけど。
「あ、悪りぃ…何の話?」
「遊びの女の話!!柊季が適当にしてたから火の粉が私達に飛ぶの!何とかしてよ!」
「えー、面倒いから適当に嫌われる事言いふらしとけば?あ、評判は下げんなよ?」
「最低極まりないわぁ…」
と言いながらケラケラ笑い出した凪。面倒いと返しながらも内容を考え出した女友達。たまに酷い言葉が2人の間で飛び交ったが無視した。
ちらっと巡を見ると一瞬目が合ってすぐ逸らされた。
--今日もまたヘッドホンをして窓の外を眺めてる。
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