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望む答えはただ一つⅠ
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ブーブー
風呂上り、バスタオルで髪をワサワサ拭きながら部屋に戻ると携帯がタイミング良く震えた。
いつもの感覚でメールボックスを開く。何も期待なんてしない、友達とやり取りするみたいに。
差出人は……巡だった。
件名には 赤峰巡です と律儀に書かれていて、語尾の後に付いていた絵文字は何故か猫だった。
本文は
初めてメール送ります…
から始まっていた。
その文脈に疑問を覚えるも続きを読む。
俺なんかが本当ごめんなさい
なんで送ったかと言うと、今なにしてるのか気になったからで、無視してくれて構いません>_<
え、あ、キモイとか思うよな⁉えと、ごめんなさい。
と自虐に謝罪の言葉が永遠と綴られていた。
話してる時に出る迷い言葉すら打つところ、慣れてない感を感じる。
この文がどれ程考えて、躊躇ったか伝わりそうな勢いで書かれていて、スクロールを繰り返す。
下に下がる程悪化する自虐を見てるのも辛くなる。
ほぼ見るのをやめて、真っ黒な画面の流し見を繰り返す。
(その頃には同じ言葉が繰り返し始めてた)
やっと辿り着いた最後の文章は“ここまでお付き合い頂きありがとうございました。えと、最初で最後だと思います。メール難しい…”と書かれて終わっていた。
あまりの長さに溜息が零れた。
作成画面に移る。
長々と書かれた文に対して、これは悪いかな?と思いながらもたった二言で返した。
キモイとかないから、下手でも構わないからメールして
あと、自虐はしなくていいから、本当の気持ちだけ伝えたらいい。
…ん?
そこまで書いて疑問が見え隠れする。
だが、返すが先と送信ボタンを押した。
何度もメールを見返す。
過去に送られて来たメールと今来たメール。巡とは初めてメールするわけじゃない。
夏休みに二回送った。帰って来た事はなかったけど…。
名前の振られていないメールアドレスを見る。
見たって何もわからないのは最初からわかってた。次は内容を確認する。
今来た巡のとを比較する。
過去のは
お前の秘密全部ブチまけて?
友達なったら教えてくれるんだろ?
ぶっきらぼうで冷めた印象
巡が書くと長々と送られてくる。
所々に表す敬語。
今回は俺の事を指すような文字はなかったから触れないとしよう。
あからさまな違いが発覚する。もしもこの二つのメールが別人だとしたら、俺は一体…………誰とやり取りしたんだ?
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