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望む答えはただ一つⅦ - 巡side -
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目が覚めたのはいつもと同じ起床時間。
8時間は寝たのに身体が鉛のように重たい。
起こせない身体は学校に行く事を拒んでいる。
そう判断した俺は休む気満々でまた目を瞑った。
「巡ぅー!!!服部くん来たわよ!」
お母さんが一階から大声で呼ぶ。服部くんと聞いただけでドクンっと胸が跳ねる。恐怖とかもあるけど、それ以外の感情も少し入り混じった跳ね方。そして、俺の身体はもっと動けなくなった。
なにを言われるのだろう
わざわざ家に来て虐められるのだろうか
勝手な思考で勝手に不安を自分に浴びせる。返事もせずに重たい手を動かして布団を頭まで被ると同時に、ガチャンと扉が開いた。寝たふり、狸寝入りをかます。
声を発さずに入って来た人。気になるのに布団を下げる事はできない。物凄く見られてるようなそんな視線を感じて、手汗が噴き出て凄い。額を流れる汗も尋常じゃない。
早く何か話せ!
うずうず、うずうず、うずうず…
「……起きてんだろ?巡」
ドキッ
話せと願ったのに、待ってたのに、ドキッって何だよ…。不意打ちの柊季の声に心臓は徐々に速度を上げて早鐘を打つ。何処にいるかはわからないけど、恐らく近くにいるであろう柊季に心臓の音が聞こえないか不安で仕方ない。
それでも俺は狸寝入りを続ける。
ガシッと掴まれる音がして、バサッと布団を捲られた。掴んでいたはずの布団は手汗で滑って目の先だ。
仰向けに寝転がり、猫みたいに胸の前で手を丸めた俺を見下ろす柊季。
怖いのに動けない身体の代わりに目だけを逸らすように動かした。
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